今回は、芦沢央(あしざわよう)さんのミステリー小説『悪いものが、来ませんように』についてご紹介させていただきます。
今作は2013年に単行本で発刊、そして先日2016年8月25日に文庫版が発刊となりました〜!ヤッタネ!(*゚∀゚*)
芦沢央さんはデビュー作の『罪の余白』もとても面白くて、『悪いものが、来ませんように』は2作目となります。
どちらも好きですが、「そういうことだったのか!」感を味わえる『悪いものが、来ませんように』の方がわたし的には好みだったり。
というわけで、文庫化を記念に感想やあらすじなどをご紹介させていただければと思います!(*´エ`*)ノ
芦沢央『悪いものが、来ませんように』
今作では、子育てに奮闘する女性・奈津子(なつこ)と、子供に恵まれない女性・紗英(さえ)の二人をメインに物語は進んでいきます。
奈津子は子育てに悩み、ボランティア仲間とうまく打ち解けられない、などなど様々な悩みを抱えています。
一方で紗英も、子供が欲しいのに恵まれず、夫の浮気や態度に頭を悩ませています。
そしてそんな二人はとっても仲良し(*>∀<)
ご飯を作って一緒に食べたり、髪の毛を切ってもらったり、夫の浮気の愚痴を話したり、昼寝をしたり、お互いがお互いを思い合うとても良い関係なのです。
むしろ仲が良すぎるくらいです。
しかしそんな中、紗英の夫が殺害されたことによって物語は大きく動き始めます。
かわいそうな子。この子は、母親を選べない―。ボランティア仲間の輪に入れない、子育て中の奈津子。
たとえば、いますぐわたしに子どもができれば―。助産院の事務をしながら、不妊と夫の不実に悩む紗英。二人の異常なまでの密着が、運命を歪に変えてゆく。
何を書いてもネタバレに。

この作品はネタバレせずに感想を書くのが非常に難しいです。
というかほぼ書けません!どうしましょう(*`д´*)
言えるとすれば「どんでん返しがすごい」という事くらいですかね。(言っちゃった!)
まあでも、この作品にどんでん返しがあるというのは単行本の帯にも書いてあったので、この作品の売りの一つということで良いとしましょう。
ただ「どんでん返しがあるよ」と言われると、どこにどんな仕掛けがあるか、罠が潜んでいるかを探りながら読んでしまいがちですよね。
でもこの作品ではそんな事はやめて、ストーリーにしっかり集中してください!!
もちろんラストにどんでん返しが待っているのですが、この物語はどんでん返しのために作られた物語という感じが全くしません。
仕掛けが明らかになったとき、見ていた世界が一瞬にして変わる一方で、この物語のテーマが強く胸に響いてきます。
「騙された!」というより、「そ う だ っ た の か (゚Д゚)」という感じです。
そしてストーリーを思い返すと、また違った見え方になってしまうのです。しかも不自然さがありません。
数々の伏線がラストでブワッと収束する本当に見事な構成だと思います(ノω`*)
とにかく読んでみて!としか言えない

結局、内容にうまく触れられず終わりです。
この作品のテーマもあえて書きません。すいません(´<_` )
でもその方が、よりお楽しみいただけると思います。
それにしても、この作品は読み終わった方たちと話し合いたくなりますね。
「ねえねえ、どこで気が付いた?」
「いやー最後まで気が付かなかったよー!びっくりしたー!」
「ふふふ、、私は途中でわかってしまいましたよ、、」
みたいな。
いろんな方の感想をお聞きしてみたいです(´I `*)
ミステリー小説を読み慣れている方なら、探りながら読めば仕掛けに気が付いてしまうかもしれません。
しかし途中で気が付いたからといって、この作品の面白さはそこまで変わらないのでご安心ください。
どんでん返しの為だけの物語ではないので、途中でその仕掛けに気付いても一つの小説として最後まで楽しめるようになっています。
ともあれ、「やられた!」感を味わいたい方は深いことは考えず、純粋な気持ちでお読みくださいね(*´∀`*)ノ