厭すぎるアンソロジー『さむけ』復刊。読後感最悪だけどおすすめしたい

先日本屋さんに行ったら『さむけ』が並んでいました。

これ、1999年に発売されたアンソロジーなんですけど、どうやら新しく復刊されたようですね!

ずいぶん前に読んだことがあるのですが、内容をあまり覚えていなかったのでこの機会に買ってみました(面白かった、というのは覚えていた)。

どんな作品かと言いますと「後味が悪い作品しかない」アンソロジーです。

ええ。私のめっちゃ好きなタイプです。

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『さむけ』

 

収録されているのは、

1.高橋克彦さんの「さむけ」
2.京極夏彦さんの「厭な子供」
3.倉阪鬼一郎さんの「天使の指」
4.多島斗志之さんの「犬の糞」
5.井上雅彦さんの「火蜥蜴」
6.新津きよみさんの「頼まれた男」
7.山田宗樹さんの「蟷螂の気持ち」
8.釣巻礼公さんの「井戸の中」
9.夢枕獏さんの「もののけ街」

の9編。

選りすぐりの作品集といった感じです。

今回はこの中から4つのお話をチラッと見てみましょう。

高橋克彦『さむけ』

藤田という男に、二ヶ月ほどマンションの留守番を頼まれた男の話です。

知り合いは知り合いだけど素性のよくわからない男。

ただ南青山に近い3LDKのマンションに家賃なしで二ヶ月住めるのだから、まあ悪くない。

そんな思い出引き受けたのですが・・・この部屋、何かおかしい。

棚には鍵がかけられているし、鴨居にはカミソリの刃が仕掛けられてるし、何より誰かに見られているような気がする。

このマンションには一体何が隠されている?

留守番を頼んだ藤田の目的は?


っていう感じです。

終始緊迫感にあふれていてかなり引き込まれましたね。

おっ、そういう展開?と思いきやそういうオチにしてくるかー!みたいな、読んでいて楽しい物語でした。

まさに『さむけ』というタイトルがぴったりの読後感でしたが。

京極夏彦『厭な子供』

会社では上司や同僚にいびられ、家庭でも悩み抱えている主人公。

ある日、そんなストレスまみれの彼が家に帰ると「子供のようなもの」が目の前にいた。

山羊のような瞳。左右に離れた眼。ほとんど隆起のない、穴だらけのような鼻。そして開きのだらしない口許。それらが異様に大きい顔面に散漫に割りつけられている。

P.61より

自分の幻覚かと思ったが、妻にも見えているらしい。

しかも突然現れたかと思えば、すぐどこかに消えてしまう。

一体この子供はなんなんだーー?


っていう「家にとつぜん奇妙な子供が現れた家庭」のお話なんですが、はっきり言いまして、最悪です。

後味が悪いというレベルではありません。救いもへったくれもありません。読んだことを後悔したくらいです。

でも読んでほしい。

この最悪な気分を共感していただきたいのです 笑。

この『厭な子供』は、京極夏彦さんの短編集『厭な小説』にも収録されています。

この短編集にも最悪なお話しかないので、気分が悪くなる作品がお好きな方はぜひ『厭な小説』も。

倉阪鬼一郎『天使の指』

妻と二人の娘がいる吉橋という男性が、「懇親会」というものに参加するお話です。

とある神社の地下室で行われる行事なんですが、まあ控えめに言って狂ってます。狂気しかないです。

目の大きいポニーテールの娘だった。今日を限りに失踪し、二度と実世界に現れることはない。この地下室で短い生涯を終えるのだ。生け贄として。

P.127より

『さむけ』に収録されている作品の中でグロさも1位ですね。読んでいて目を背けたくなります。

何が楽しくてこのようなお話を読むのでしょうか。

でもそんな狂気的なお話好き!という方は、同じく倉阪鬼一郎さんの『鳩が来る家』をどうぞ。グロさも怖さも満点な短編集です。

多島斗志之「犬の糞」

近所に住む男性から、家の前に犬の糞をされるという嫌がらせを受けている家庭のお話。

本人に言っても聞く耳を持たないので、彼の知り合いだという男性に相談してみたのですが・・・。

ご近所トラブルがいきすぎるとこういう事になってしまいます。気をつけましょう。

後味が悪い話のはずですが、なぜかスカッとしてしまった(´皿`●)

イヤなお話が好きな方はぜひ

「イヤなお話」という事は共通しているのですが、リアル系だったりホラーだったり幻想的だったり、様々なタイプのお話が詰まっています。

この手のイヤーな物語がお好きならぜひ読んでいただきたいと思います。

特に京極夏彦さんの「厭な子供」は本当に厭だ。この話がもし好みであれば『厭な小説 文庫版 (祥伝社文庫)』もきっと気に入っていただけます。

最高に気分が悪くなりますが、どうしてもこの手の話が好きなんです。なんなのでしょうね 笑。

このような作品が復刊されるというのも運命なのでしょう。

ぜひ、この機会にイヤな気分になってください(*`▽´*)

【鬱注意】後味が悪いのに面白いおすすめ小説10選① 【第二弾】後味が悪いのに面白いおすすめ小説10選②

2 Comments

裏庭ボーイ

2回目のコメントです٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
最近は綾辻先生の殺人鬼が凄く怖くて痛い痛いと
思いながら読んだり、澤村先生のぼぎわんが来る等怖いなぁと思いながら読書ライフ満喫しています。
今回はこの『さむけ』の紹介ブログ読んで速攻本屋に走ってゲットしてきました。もうブログ読んでるだけで、絶対買わなきゃ!!と思い本屋に走りました笑 本当に僕は主さんのこのブログに出会えて感謝しています٩(๑❛ᴗ❛๑)۶だって本の紹介がめっちゃ読む意欲をかられます!!そしてこのブログに出会えてから読書がますます好きになりました。
これからもずっと応援してます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
ガンガン面白い小説紹介して下さいね( ^ω^ )

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anpo39 anpo39

裏庭ボーイさんおひさしぶりです!
『殺人鬼』『ぼぎわんが来る』、良いですねえ。裏庭ボーイさんの好みがよくわかります 笑。私もこのタイプが大好きで。
おお、早速『さむけ』を!この後味悪い感じは絶対裏庭ボーイさん好きそうですもんね笑。好みが私と似ています♪
うわー嬉しいお言葉を、、、。そのように言っていただけると、私もブログを続けてきてよかったと思えます。本当に嬉しいです。一緒にたくさん読書しちゃいましょう!
これからもどんどんご紹介しちゃいます!どうぞよろしくお願いいたします(ノω`*)

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