『悪徳の輪舞曲』-待望の第4弾!人気の御子柴礼司シリーズでまさかの過去が暴かれる?!

 

2018年3月に満を持して発刊された、中山七里さんが描く御子柴礼司シリーズの第4弾。

ミステリー好きなら、ぜひチェックしておきたいおすすめシリーズの一つです。

2011年に発売された『贖罪の奏鳴曲』から始まり、『追憶の夜想曲』『恩讐の鎮魂曲』と続き、2年ぶりに新刊の登場です。

 

……いま思ったんですけど、名前だけ見ていると、劇場版コナンのタイトルみたいですね

 

それはさておき、とんでもない過去を持ち、しかし依頼された裁判では結果を出し続ける御子柴礼司。

今回は、そんな彼の過去に触れる展開となっています。

 

『悪徳の輪舞曲』あらすじ

 

「悪徳輪舞曲」の物語は、弱気な主婦が

「ごめんなさいね。あなたさえ死んでくれたら……」

引用(5P)

と、夫殺しに手を染めるシーンから始まります。

この時は、事前に犯人を明かしておいて、後から状況を探る古畑任三郎パターンかと思ったんですが……その数ページ後に見事に裏切られました。

 

この殺人主婦、物語の主役である御子柴礼司の実の母であり、御子柴の妹が母の弁護を行うよう弁護士事務所を訪れるんです。

今回冒頭で亡くなるのは母の再婚相手で、実の父ではありません。そして、妹は事実を知らず、母の無実を信じているというややこしさMAXな展開に……。

さらに、御子柴礼司の家庭は、御子柴自身が過去に凶悪な少年犯罪をしでかしているため、家族関係は完全に破綻している状態。

そんな様々な事情もあって、妹や母と度々衝突しながらも、御子柴は弁護を引き受けていきます。

無罪の証拠を集めるうちに、母が前にも殺人を犯していたのでは?

そんな話も出てくる中、殺人を知っている読み手をぐいぐい引き込みながら、最後に告げられる判決まで目が離せない作品になっています。

「悪徳の輪舞曲」の見どころ

「悪徳の輪舞曲」の見どころは、やはりタイトル通り、悪徳は輪舞のように繰り返されるのか、という部分。

悪徳弁護士とも呼ばれ、暗い過去のある御子柴のルーツは、その母なのか。

そして、母は二度の殺人を行ったのか。

これほどまでに、濃い親子がタッグを組んで、裁判に挑むという例はそうそうありません。

殺人の疑いがあるにもかかわらず、リビングでおせんべいを食べながらワイドショーを見ている主婦っぽい母のキャラと、冷酷な御子柴との対比も見どころです。

悪いものにはなぜか人間惹かれるもので、

「私は高い報酬を得ることで悪名を馳せている。その代わり、受任したからには必ず依頼人に利益をもたらす。高い弁護料はその証でもある」

引用(P53)

そんな、ブラックジャックを思わせる、セリフにも心躍ります。

犯罪者であるにもかかわらず、なぜか憎めない御子柴という人物をもっともっと知りたくなるはずです。

また、弁護側、検察側と構図を変えながら、進んでいく物語にもかかわらず、妙なリアリティがあるため、実際にあった事件を小説化した、ノンフィクション物としても成立しそうな勢いがある作品ですね。

相変わらず驚きの連続

今回も、驚き展開の連続でした。

犯人を知っているだけに、御子柴が気付くのか、気付いたとしたらどうするのか、など、色々な感情が入り混じり、ページを捲る手を止めてくれません。

父、母、妹という少年刑務所へ入る前の家族についても、深く触れられているため、これまでの3シリーズとは違った御子柴像が見られる点も注目ですね。

いつでも冷静沈着、人としての感情に乏しい御子柴ですが、今回は心揺さぶられるシーンもあり、見たことのない顔に出会えます。

検察と弁護側が互いの証拠を持ってやり合う裁判シーンも、丁寧に書かれているため、果たしてどんな結論が出るのか、御子柴弁護士の一挙手一投足を存分に楽しむことができました。

理詰めで検察をやり込めていく御子柴は、女性ファンも多い人物ですが、読者のみ犯罪が確定済みであることを知っている今回、どんな立ち回りをしてくれるのかに注目です。

第一弾から順番に!

今作は、御子柴礼司の知られざる過去があばかれるため、好き嫌いが分かれる内容ではありますが、個人的には「中山七里先生!よく書いてくれた!」という気持ちです。

もしまだシリーズを未読であれば、ぜひ一作目から順に『贖罪の奏鳴曲』→『追憶の夜想曲』→『恩讐の鎮魂曲』→『悪徳の輪舞曲』と順番に読むことを強くおすすめします。

この一冊だけでも成立しているので初見でも楽しめますが、過去3作に登場する人物も描かれているため、「悪徳の輪舞曲」から読んだ方はぜひ前作へも目を向けてみて下さい。

より御子柴礼司という男に興味をそそられるでしょう。

御子柴作品は「贖罪の奏鳴曲」が、キャラぴったりの三上博史さん主演で、WOWOWドラマになっているんですよね。

WOWOWには入っていないので見れませんでしたが、「悪徳の輪舞曲」まで、4作まとめてドラマ化して欲しいほど、悪あり、愛あり、正義ありの作品です。

ちなみに、ドラマ化が難しい理由は、御子柴の犯罪が少年A思い出させるから、という噂も……。もうちょっと違う犯罪だったら、地上波でドラマ化していたかもしれません。

さて、2年ぶりの御子柴礼司をすっかり堪能した私ですが、今回も気になるラストで終わっています。

次の展開が非常に気になるのですが……また2年後、ですかね。

御子柴ファンの皆さま、焦っても仕方ありませんから、楽しみに2年後を待ちましょう。

 

 

4 Comments

ちぃ

コナン、確かに(笑)
僕、この人全く読んでないんですよね。
職場の女の子が「さよならドビュッシー」を読んで感動して話しかけてきたんですが、残念な事に粗筋聞いただけで展開真相共に読めてしまいそれ以来食指がどうも・・・なんです。
でもanpoさんよく紹介されますよね、この人。
今にも手を出しそうな自分がいます。うずうず
ところで、今度大阪に音楽のliveで二泊するんですが、滞在中に読むミステリでお勧めないでしょうか。
せっかくなので大阪やバンドに因んだものでも読みたいなと思うのですが。
若しくは、奮発して(預金爆発)シティホテルに泊まるのでホテル内が舞台になったものでも。
ニューオータニなので「人間の証明」でも良いかと思ったのですが、やはりガチガチの本格が読みたいです。

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anpo39 anpo39

あーそういう経歴があるんですねえ。笑
私は『カエル男』が最初だったんで一気にはまってしまいまして。
このシリーズも面白いんで追いかけているんですよねー(*´ェ`*)
ふふふ、手に出してみてはいかがですか?

えー!大阪やバンドに因んだものですか!難しいですねえ。
バンドが絡むミステリだったら道尾秀介さんの『ラットマン』が一番好きかなあ。

あとホテルというか宿が舞台でしたら、火村英生シリーズの『暗い宿』が好きです。東野圭吾さんの『マスカレード・ホテル』もいいなあ、って感じですかね。
すいません、おすすめというか自分の好みばかりで、お役に立てるかどうか……(。_。)

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こはる

こんばんは、最近またヴェルーヴェン警部シリーズを読み直し、異国の世界に浸っております

これ、第一弾がドラマ化してたなんて全く知りませんでした! 新作第四弾…..過去が暴かれると言う少し異端な一冊になってるんでしょうか? 早く書店へ向かわなくては…..

少しズレますが、四作目で風変わりと言うとまず思い出したのが人形館の殺人でした このタイミングでそれ持ってくるか!と言う特殊な驚きが当時ありました

楽しみです、悪徳の輪舞曲も彡(^)(^)

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anpo39 anpo39

このシリーズ、面白いですよね!
前々から新作第四弾が出るのを楽しみにしていたのですが、やっぱり期待以上の面白さでした!
さあさあ書店へ!(o´▽`)ノ

いやー確かに人形館の殺人はかなりの特殊でしたよね。懐かしいなあ。
あれは本当に面白いことをやってくれましたよねえ。
賛否別れているようですが、私は大好きです。

ではぜひ悪徳の輪舞曲も彡(^)(^)

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