さて今回は先日2016/11/10に発売された秋吉理香子(あきよしりかこ)さんの新刊、『絶対正義』の感想やあらすじなどをご紹介しちゃいます!
秋吉理香子さんといえば名作イヤミス『暗黒女子』や、どんでん返しミステリ『聖母』などが有名なのですがご存知でしょうか。
私も『暗黒女子』から秋吉理香子さんにハマり、新刊が出ればすぐに購入し読ませていただいております。
で、今回待ちに待った新刊が発売!タイトルは『絶対正義』。
表紙絵から漂う不吉な雰囲気がもうたまりません。
早速ご紹介させていただきましょう!(* >ω<)=3

秋吉理香子『絶対正義』
始まりは、一通の招待状。
ノンフィクション作家として活躍する今村和樹の元に、ある日一通の封筒が届いた。
いや、封筒、というそっけない単語ではなく、気取って「エンヴェロープ」と呼ぶにふさわしいようなものだ。薄紫色の紙はパールのように光沢が入っており、厚くてしっかりしている。
『絶対正義』P.3 より引用
まるで豪華な結婚式の招待状のよう。
結婚に縁がなく、四十路となった和樹にとってはあまり気分の乗るものではなかった。
とは言いつつも確認しないわけにはいかない。
部屋に戻って、何気なく封筒の差出人を確認した時、和樹は驚愕せずにはいられなかった。
差出人の名はーーー
高規範子(たかきのりこ)。
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そんな馬鹿な。
この女は5年前、確かに殺したはずなのに。
あの時範子を一緒に殺した他の3人に連絡を取ると、皆にも招待状が届いていることがわかった。
一体誰がこんな招待状を。
そしてその目的は・・・。
範子はいつでも礼儀正しく、一つの間違いも犯さず、また決して罪を許さない。
というわけでこの作品は、「4人の女性に、5年前に殺したはずの女から謎のパーティの招待状が届く」というお話です。
まず、5年前に殺したはずの女からパーティの招待状が届く、という設定はやはり気になってしまいますよね。
誰がこの招待状を送ってきたのか?
という謎はどうしても魅力的なものです。この謎だけでも最後まで読ませる大きな原動力となるでしょう。
死んだはずの、あのとき確かに殺したはずの高規範子は生きていたのか?
それとも、この4人の中に送り主がいるのか?
では何の目的で?
気になる謎の嵐。
終始ハラハラドキドキさせるストーリー構成で本当に一気読みでした。単行本で245ページという短めな作品でしたので2時間かからなかったです(●>ω<)
この女、正義のモンスター
読むとイヤな気分になるミステリー小説、イヤミス。
そしてイヤミスに多くの確率で登場する「怖い女」。
今作『絶対正義』では、殺されたはずの女・高規範子(たかきのりこ)がその「怖い女」にあたります。
しかも、数あるイヤミスの中でもこの高規範子はかなりヤバい方の人ですね。
まさにタイトル通りの「絶対正義」の持ち主。
間違ったこと、法を犯した事は絶対に許さない正義の人間。
高規範子は確かに間違った事を言っていない。
彼女が言う事は正しい。
だからこそ、怖い。
本当に、こんな人物が自分の近くにいなくてよかったと心底思いました(´∀`;●)
わたしは雅彦さんの味方でも、由美子の見方でもないわ。わたしは‥‥正義の見方なの。
『絶対正義』 P.108より引用
というか、今作は「誰がこの招待状を送ってきたのか?」という謎以外にももう一つ気になることがありますよね。
ズバリ、4人はなぜ高規範子を殺したのか?という事です。
これがまた面白いんですよ。
4人の女性はみんな範子に助けられた経験を持っているんです。範子には感謝していたんです。
だから最初は仲がよかった。最初は。
しかし、殺してしまった。
一体4人に何があったのでしょうか・・・。
狂気満点!ノンストップサスペンスをぜひ!
構成的に言うと、4人の女性に何があったのか」というのがそれぞれの視点で語られていき、最後にグワッ!っとなるのですが、終盤は特にドキドキですよね。
というか、
え?え?もう終わりだよ!?あと数ページしかないよ!?これでどう締めるの?!(*´□`)
と、ラスト数十ページはもう手に汗握りまくりでしたよ。
しかもとっても読みやすいから、しっかり読みたいのにページをめくる手は加速する一方で。
いやあ楽しい読書でした 笑。
この感じは同著者の『暗黒女子』がお好みなら今作も絶対気に入っていただけるでしょう。
イヤミスが読みたい!
ドキドキするミステリが読みたい!
一気に読めちゃう面白い小説が読みたい!
という方にはぜひオススメしちゃいます(ノ `・∀・)ノ
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それでは最後までありがとうございました。良い読書ライフを!
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