2021年もたくさんの小説を読ませていただきました。
今回はその中で、特に面白いと感じたミステリー小説をベスト30にまで絞ったのでご紹介させてください。
「このミステリーがすごい!」の自分版のようなものです。
ランキングではないのでご了承下さい。
参考にしていただけたら嬉しいです(*’▽’*)
1.知念 実希人『硝子の塔の殺人』
長野の雪深い山奥の森に、円錐状の硝子の塔が建っている。
ミステリ好き大富豪の呼びかけにより、刑事や小説家、霊能力者などそこには様々なゲストが招かれていた。
しかしそのパーティの最中、館の主人が毒殺される事件が発生する。
名探偵と医師のコンビが謎を追うが、惨劇は1つにとどまらなかった―!
ミステリ好き必見の新本格クローズドサークルもの
雪に閉ざされた等を舞台に惨劇が発生していくクローズドサークルものとなっている本作。
序盤からしっかりと読者を惹きつけておき、その後も新たな展開が次から次へと繰り広げられるので目が離せません。
そして何より、本作では本文内にて名作と呼ばれるミステリ作品へ言及する場面がいくつもあります。
普段からミステリ作品を嗜んでいる人であればとても楽しめるでしょう。
ミステリ初心者の方でも興味のあるミステリ作品に出会えるなど、推理小説を嗜むきっかけを与えてくれるかもしれません。
ミステリとしての斬新なアイデアを楽しむことができ、二転三転する展開で先が読めないストーリーですから、ぜひその目で結末まで確かめてみてください。
最後までしっかりとまとめられている非常に完成度の高い作品となっています。

2.相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』
とある殺人事件は綿密に実行された。
アリバイはもちろん、計画そのものも完璧で事故として処理されるはずの事件だった。
しかしそれは死者の声を聴くことができる美女・城塚翡翠によって妨げられる。
霊能力などで捕まるはずがないと高を括る犯人だったが果たして―?
犯人の視点で描かれるスリルある霊媒探偵ミステリ
本作はミステリランキング5冠を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の続編となっています。
内容としては3つの話が収録されており、それぞれ犯人の視点から描かれています。
もちろんその面白さは前作の期待を裏切らず、主人公である城塚翡翠のキャラクター性も非常に魅力的なものとなっているでしょう。
また、話の流れとしては最初に犯人が明かされるものとなっており、そのトリックや動機を推理していく過程で読者も探偵気分を味わえます。
犯人が分かっている状態でも残る謎をしっかりと楽しめるのは、作者の巧みなストーリー展開のおかげでしょう。
主人公のお茶目であざといキャラクターにより雰囲気としてはポップな印象の推理小説ですね。
本格でありながら、面白く明るめのミステリ作品が好きな方におすすめです。

3.今村 昌弘『兇人邸の殺人』
廃墟テーマパークには異様な屋敷“兇人邸”が存在した。
とある依頼でそこを訪れたのはミステリ愛好会に所属する葉村譲と剣崎比留子である。
依頼主とともに兇人邸に侵入する2人であったが、そこで襲われ閉じ込められてしまう。
そしてその先で待ち受けていたのは無慈悲な殺戮。
次々と殺される同行者を前に為す術はあるのか―!?
特殊なクローズドサークルが舞台のホラーのようなミステリ小説
まるでホラーゲームのような展開から始まる本作は、廃墟テーマパークを舞台にした特殊設定ミステリです。
序盤からパニックホラーにも劣らないようなゾッとした展開が読者を襲います。
ミステリの中でも恐怖やスリルといった部分が色濃いものが好きな方にはとてもおすすめです。
しかしなんと言ってもミステリ小説ですから、終盤になるにつれトリックなどのミステリに欠かせない要素が存分にその魅力を発揮します。
読者をミスリードする仕掛けなども施されており、あっという驚きを与えてくれるでしょう。
本作は序盤からスリル満点の1冊となっており、犯人の心情など見どころがたくさんの作品ですのでぜひチェックしてみてください。

4.三津田 信三『忌名の如き贄るもの』
生名鳴地方の虫くびり村に伝わる「忌名の儀礼」。
それは7、14、21の歳に忌名を書かれた御札を滝壺に投げねばならないというものだった。
そこで起きた奇妙な出来事を調べるため、名探偵・刀城言耶は村へ赴く。
しかしその先に待ち受けていたのは恐ろしい殺人事件だった―。
古くからの習わしが異様な恐ろしさを放つホラーミステリ
本作は序盤から地方に伝わる儀式とそれにまつわる怪異が語られるホラーな雰囲気の1冊です。
殺人の恐怖はもちろんですが、それに地域独特の風習が感じさせる怖さも合わさることで唯一無二の雰囲気を造りあげています。
特に舞台設定の素晴らしさが際立ちますね。
しかしそれだけではなく、中盤以降はしっかりとミステリとしての面白さを感じさせるところも魅力的です。
伏線などの要素も盛り込まれており、二転三転する展開にページを捲る手が止まらなくなること間違いなし。
終盤にはミステリとホラー、2つの要素が合わさる衝撃のラストが待ち受けており、その話の展開は巧みと言わざるを得ません。
ホラー要素とミステリ要素、どちらもお好きな方にはぜひともおすすめしたい1冊です。

5.麻耶 雄嵩『メルカトル悪人狩り』
悪徳と言われるがその実力は折り紙つきの銘探偵・メルカルト鮎。
そんな彼の元に舞い込んできたのは命を狙われているかもしれないという有名作家からの調査依頼だった。
殺人へのカウントダウンを示すかのように毎日届けられる謎のトランプ。
その意味と犯人の正体を探るべく、推理作家の助手を巻き込み真相の解明に挑む―!
強烈な探偵が彩る唯一無二の傑作推理小説
メルカルト鮎という探偵を中心に事件の真相を明らかにしていく短編集となっている本作。
なんといってもその面白さはメルカルトという人物のキャラ立ちでしょう。
探偵でありながら邪悪とも言える言動で事件を解決していく姿は圧巻です。
この主人公のキャラにどっぷりとハマる人が多いのも頷けます。
また、「私は長篇には向かない探偵なんだよ」というメタ的な発言もあり、その推理の様や解決までのスピード感なども読者を飽きさせない1つの要素になっているでしょう。
作者特有の文体も癖になるような魅力を感じさせますし、普段オーソドックスなミステリ作品に慣れている人ほど新鮮な良さを味わえる作品となっています。
個性的な探偵に少し後味の悪いような物語がこの作品ならではの雰囲気を感じさせてくれる魅力的な1冊です。

6.麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』新装改訂版
真宮和音という美少女の魅力に取りつかれた6人が共同生活を営んだ「和音島」の生活は、当の和音の死で解散となっていた。
20年という歳月が過ぎたこの夏、故人をしのび和音島に集まった数人と、取材を頼まれた雑誌記者・如月烏有。
真宮の死後自殺した武藤は、和音が主演の幻の映画「春と秋の奏鳴曲」を撮影していた。
そして、真夏に大雪が降った日、ある一つの首なし死体が発見される……。
20年前の故人をしのぶ人々、真夏の雪や断崖のテラスに、周囲との連絡を絶たれた孤島と首なし死体
伝統的な本格ミステリの教科書と言ってもよいほど舞台の整えられている本作ですが、その結末から1993年の発売以来賛否両論を呼んできました。
大胆で鮮やかな足跡トリックなど、本格ミステリとしての魅力にあふれる本作ですが、結末でまさに読者をアッと言わせる展開が登場。
出版年が古く絶版が続いていたことから、手に入りにくいミステリとされてきましたが、今回新装版として復活し、さらに多くの人の目に触れるようになりました。
事件が発生して名探偵が登場し、謎を全て解決してくれる……、そんな本格ミステリを楽しんできたけれど、何か他に一捻りのある作品を読みたいという、“ミステリ上級者”の方にぜひ読んでいただきたい作品です。

7.浅倉 秋成『六人の嘘つきな大学生』
IT企業で行われた新卒採用面接。
最終選考の課題はチームでディスカッションするというものだった。
それは当初チーム全員で内定を勝ち取るためのものだと思われたが、与えられたのは「六人の中から一人の内定者を決める」という課題。
議論が進む中「●●は人殺し」という告発文まで発見され―?
就職活動で暴かれる人間の表と裏を描いた青春ミステリ
有名企業の就活で6人の大学生の裏の顔が暴かれていくストーリーとなっている本作。
まず序盤、ただのグループディスカッションが争いの場となり雰囲気が変わっていく様は秀逸でしょう。
信頼関係構築からの崩壊演出が上手く、グッと読者を惹きつける魅力があります。
また、本作は巧みな心理描写により読者もドキドキワクワクするような面白さを楽しめます。
疑心暗鬼な状態で繰り広げられる心理戦により、読者視点でも登場人物への印象が塗り替えられるため結末が最後まで予想できません。
そもそも告発文を持ち込んだのは誰なのか、実際の真実はどうなのか。
ミステリとしても謎となる部分はしっかりと残されており、推理からその展開まで大いに堪能できる素晴らしい作品となっているでしょう。

8.阿津川 辰海『蒼海館の殺人』
学校に来なくなってしまった名探偵・葛城。
そんな葛城を心配して田所は葛城の家を訪ねることにした。
葛城の実家は「蒼海館」呼ばれる建物で、そこでは政治家や学者などの華々しい家族が田所を迎え入れてくれる。
しかしその明るさとは対照的に、待ち受けていたのは災害と殺人という悲劇だった―!
友人の実家で起こる悲劇に高校生が挑む本格ミステリ
本作は災害と殺人という2つの要素に脅かされる中、高校生達が事件解決に向けて活躍していくクローズドサークルものです。
何重にも伏線が張り巡らされていることや、二転三転する展開から先の読めないドキドキ感が味わえます。
迫る恐怖へのハラハラ感などもたっぷりと味わえるなど、ミステリとしての完成度は作者の力量が感じられる1冊でしょう。
ですが本作ではそれだけではなく、友情や家族愛といった場面も見どころとなっています。
探偵が抱える悩みや家族の秘密などが描かれていますが、それらもミステリを盛り上げてくれるものとして大きな役目を果たしている印象です。
トリックの複雑性からミステリマニアでも楽しめるような内容になっていますので、1度は読むことをおすすめしたい作品です。
9.早坂 吝『四元館の殺人 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング』
とある雪山には四大元素をモチーフにした奇怪な館「四元館」があった。
探偵のAI・相以と助手の輔は、犯罪オークションを落札した少女を止めるためその館を訪れるのであった。
しかし訪れた先では不可思議な変死事件が発生してしまう。
AIが導き出す事件の真相とは―?
予測不能の結末が飾るAIモチーフミステリ
本作はミステリと人工知能であるAIとの融合を上手く生かした館殺人ものです。
AIが活躍する近未来のような舞台となっているため、その予測不能さと新鮮さはこの作品ならではの魅力でしょう。
予測不能とも言える領域のAIと、読者でも推理が楽しめる伏線やヒントが絶妙なバランスで用いられているところが本作の素晴らしいところ。
推理ものとして十分面白く読んでいくことができます。
ラストの結末には驚かされること間違いなしの1冊ですので、一風変わったミステリを読んで見たい方はぜひ手に取ってみてください。
奇才とも言えるような作者の才能が感じられる内容となっています。

10.織守 きょうや『花束は毒』
ある日元医学生である真壁の元に届いた1通の手紙。
それは「結婚をやめろ」という脅迫じみた内容のメッセージであった。
真壁を助けたい一心で木瀬は中学時代の先輩・北見理花を訪ねる。
探偵をしている彼女へ調査を依頼するが、どうやら木瀬には犯人を追及できないような理由があるようで―?
まさかの真相にゾッとするような戦慄のミステリ
本作は結婚を控えた真壁の元に脅迫状が届くところから物語が展開していきます。
序盤はかつて家庭教師をしてもらっていた真壁を助けるために木瀬が調査を依頼し真相に迫るシンプルな展開ですが、途中からストーリーは思わぬ方向に進みます。
“100%騙される”と帯で謳っているだけあって、終盤の展開は読者の予想を裏切るようなものとなっているでしょう。
先が読めないという意味では非常に楽しめるミステリに仕上がっています。
また、タイトルである“花束は毒”という言葉の意味も話を読み終えると分かるようになっており、その意味にゾッとする読者はきっと多いでしょう。
狂気すら感じる人間ドラマのようなものも味わえる作品ですので、ぜひ本作ならではのゾクリとする感覚を堪能してみてください。

11.石持浅海『君が護りたい人は』
三原一輝は成富歩夏に好意を寄せていた。
歩夏が両親を亡くしてから10年、20も年上であり後見人である奥津悠斗と婚約したことを知らされる。
奥津が立場を利用し結婚を迫ったと思い込んだ三原はキャンプ場にて奥津の殺害を計画。
しかしそれはゲストとして参加した碓氷優佳により狂い始め―?
各々の思惑が交錯する犯罪計画ミステリ
本作の舞台はキャンプ場。
想いを寄せる女性のために婚約者を完全犯罪にて葬ろうと画策するストーリーが主軸です。
中でも完璧な殺害計画のはずがゲストにより様相が一変していくところからが見どころですよ。
どのような計画か推理していく模様はもちろん、その計画がどのようにして狂わされていくのかにも注目してみてください。
主人公の優れた推理力や観察眼などがこのミステリを楽しませてくれること間違いなしですよ。
殺害計画を狂わせていくというスタイルのミステリではありますが、その中にしっかりと恐怖なども織り交ぜられているのが作者特有の雰囲気を感じさせます。
また、ラストをどのように迎えるのかも注目すべきポイントの1つと言えます。
その結末には意外性も含まれていますので、ぜひその目で確かめて驚愕してください。
12.松嶋智左『匣の人』
浦貴衣子は小さな町で交番勤務をしている巡査部長であった。
ある日貴衣子は教育係として新人の澤田里志巡査とペアを組むことに。
比較的平穏な町で地域の問題に対応していたが、あるとき外国人技能実習生が殺される事件が発生する。
その容疑が新人である里志に降りかかり、貴衣子はその嫌疑を晴らそうとするが―?
リアリティある描写が魅力の切なく温かい警察小説
交番に勤務する2人の警察官がメインとなっている本作。
認知症の老人問題など地方でもありうるような事件に対応するなか、連続するひったくりや殺人事件など異常とも言えるようなことが勃発します。
そしてその容疑が、まさかの新人警官にかけられてしまうところが見どころでしょう。
取り締まる側の警官に容疑がかかるという珍しいストーリー展開で、1つ1つ事件の真相解明に繋がる要素が丁寧に描かれていきます。
二転三転しつつもその展開に破綻はなく、あらゆる事件が少しずつ繋がっていく様は気持ちよく読んでいくことができます。
作者が元女性白バイ隊員というだけあって作品にはリアリティも感じられるのもポイント。
ミステリ要素、リアリティある描写、そして登場人物たちの人間ドラマなどがバランス良く堪能できるミステリとなっています。

13.道尾秀介『雷神』
かつて起きた母の不審死と毒殺事件。
犯人だと噂され村を去った藤原一家の息子・幸人は1本の脅迫電話をきっかけに姉らとともに村に戻ることにした。
それは1人娘である夕見を守るための決断であったが、そこで新たな事件が発生。
時を経て過去の事件と向き合うことになるが、その真相とは―?
哀しい悲劇に彩られた完成度の高いミステリ
過去の事件と新たな事件、数々の悲劇の真相を解き明かしていくストーリーとなっている本作。
母はなぜ死んだのか?犯人と噂された父は罪を犯していたのか?など、序盤から気になる謎が次々と提示されます。
伏線やミスリードといった要素が盛りだくさんですから、推理小説としてとても楽しめること間違いなしでしょう。
また、単純なミステリ要素だけでなく家族やそれぞれの思いの描かれ方なども秀逸です。
悲しく切ない重めなミステリといった印象ですが、それだけにグッと胸に響くものがありす。
ラストの台詞も非常に印象的で余韻を残す終わり方になっています。
傑作といっても過言ではない深い味わいのミステリに仕上がっていますので、ぜひ一読をおすすめしたい作品です。

14.青柳 碧人『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』
かぐや姫やおむすびころころなど、おなじみの日本昔ばなしかと思いきや全てミステリー展開になるという、王道とミステリーを掛け合わせた、凝った作りの『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』。
2019年に刊行されるやいなや瞬く間にベストセラーとなった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の第2弾という位置付けではあるものの、前作との繋がりはないので本作から読んでも全く問題なく楽しめます。
「かぐや姫」「おむすびころころ」「わらしべ長者」「さるかに合戦」「ぶんぶく茶釜」と、有名な5編の昔ばなしがどんなミステリーになったのか。
各作品を通してのテーマが隠されており、それぞれの繋がりも楽しめるため、斬新かつ新解釈のミステリー小説を読むことができるというのが一つの魅力となっています。
しかし、昔話の懐かしさに複雑な相関図が交わり物語をかき回すため、二転三転する展開には、どんな落としどころが待っているのか予想することができません。
5編の短編はどれもひねりが効いているので読み応えがあり、読み進めていく中で予想の斜め上をいく背景が浮かび上がってきます。
ページをめくるごとに明かされる真実や、そこに至るまでの物語の流れに、読者は大いに驚かされることになるでしょう。
15.紺野天龍『シンデレラ城の殺人』
ある日シンデレラはガラスの靴を渡されて舞踏会へと参加することに。
王子とダンスを踊ることになるが、ガラスの靴では踊りにくいだろうと王子は別の靴をシンデレラへと貸した。
その後ガラスの靴を返してもらうためシンデレラは王子の私室へ。
姿の見えない王子を心配し部屋を覗くと、そこには息絶えた王子の姿があった―。
容疑をかけられたシンデレラを巡るファンタジーミステリ
本作の主人公は容疑者でありながら探偵もこなすシンデレラ。
シンデレラが王子殺害の容疑をかけられることから物語が展開するのですが、まずこの設定が斬新です。
誰もが知っているような有名なおとぎ話がモチーフですから、その世界観が伝わりやすいのも魅力です。
また、本作で登場するシンデレラは原作とは異なりとてもポップで逞しい印象。
屁理屈が得意でその巧みな言葉により真相に辿り着いていく様は爽快です。
ミステリにおとぎ話や魔法といった要素が上手く落とし込まれており、ファンタジーの魅力を存分に味わえる作品に仕上がっています。
結末には意外性もあり、終始楽しく面白く読んでいくことのできる1冊となっているのでぜひ!

16.犬飼ねこそぎ『密室は御手の中』
名探偵・安威和音が取材という体で訪れたのは山奥の宗教施設。
そこには教祖や信者など9人の男女が住んでいた。
しかしその翌日、瞑想場にて信者がバラバラの遺体となった姿で発見される。
密室で起きた事件の謎に名探偵と少年教祖が挑むものの、やがて第2の殺人事件が発生し―?
トリックとロジックが光る密室殺人もの
山奥の宗教施設を舞台に巻き起こる連続密室殺人ものとなっている本作。
その舞台や教祖や信者といった存在からもう怪しさは満載ですよね。
序盤からミステリとしての確かな雰囲気を感じさせます。
また、話が進むにつれてトリックやロジックといった部分も明らかになるのですが、その部分が本作の大きなポイント。
思い付かないようなトリックやかなり考え抜かれていると評価できるような素晴らしいロジックは、ミステリとしての完成度の高さを伺わせます。
アイデアや発想といった点において作者の手腕が発揮されているでしょう。
真相に辿り着くまでの推理合戦や二転三転する展開から退屈することがないのも魅力的で、ストーリーにも破綻がありません。
トリックやロジック、設定やストーリー展開など全体を通して高く評価できるミステリとなっています。

17.似鳥鶏『推理大戦』
あるとき日本で発見された聖遺物。
その存在は世界的に見ても非常に貴重なものだった。
聖遺物を手に入れるため日本に集うのは超人的な能力を持った各国の名探偵。
アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジル。
特殊能力と推理力を活かし、聖遺物を手に入れるのは果たして―?
エンターテイメント性を感じさせる特殊能力推理もの
聖遺物をかけ世界中の特殊能力を有した名探偵が競う推理小説となっている本作。
王道のミステリとは一風変わった設定が魅力です。
前半は各国の代表者それぞれのエピソードとなっており、1人1つ、4つの短編から構成されています。
この短編で代表に選ばれるまでの掘り下げがありますから、これを読むことにより後半では各キャラクターへの思い入れが大きくなり、一層楽しめることは間違いありません。
この前半からの後半、いわゆる本戦への持っていき方や構成というのは高く評価できるポイントの1つですね。
また、探偵にはそれぞれ特殊な能力がありますから、調査方法なども普通のミステリとは違う面白さを味わえます。
ユニークな能力だけでなく、個々の人間性も相まって絶妙なバランスで魅せてくれる上質なミステリ作品となっています。

18.北山 猛邦『アルファベット荘事件』
岩手県に「アルファベット荘」と呼ばれる洋館があった。
そこでは庭や屋敷にアルファベットの形をしたオブジェが並べられていた。
そんな屋敷に招待された美久月、未衣子、ディの3人。
パーティには他の客たちも招かれていたが、謎めいた「創生の箱」から死体が発見されたことにより状況は一変する―。
クローズドサークルで起こる不可能犯罪もの
アルファベットのオブジェが散見されるいかにも怪しい洋館が舞台となっている本作。
物語は創生の箱から死体が発見されたことで展開していきます。
創生の箱は空の状態から何かを生み出すと言われているものなのですが、そのような得体の知れないものから突如現われる死体というのはミステリの入りとしては抜群ですよね。
序盤から奇怪な館に謎の箱など読者を惹きつけるような怪しい要素が満載です。
もちろんその後の展開も面白く、明らかにされていくトリックや犯行動機なども楽しめること間違いなしでしょう。
また、本作はそれだけではなくミステリを取り巻く少年少女の物語にも注目です。
登場人物それぞれが個々の魅力を持っているのも本作の良さの1つですね。
事件の背景描写が巧みな美しくも哀しい物語ですので、ぜひ一読をおすすめします。

19.白井 智之『死体の汁を啜れ』
それなりに売れていたミステリ作家・青森山太郎は、騙されて借金を抱えてしまう。
自殺のために牟黒岬に向かうが、そこはなぜだか人がよく殺される街だった。
豚の頭をかぶった死体や頭と手足を切断された死体。
青森山太郎は行き着いたその先でなぜか事件の謎を解明していくことになり―?
グロさと奇妙さを漂わせる連作短編集
ミステリ作家が主役となり数々の奇妙な事件を推理していく本作。
ヤクザや悪徳刑事、女子高生などかなりキャラ立ちした面々と組んで事件の謎に迫ります。
胡散臭くも個性的なキャラが多いので、その辺りも引き込まれる要素の1つでしょう。
しかしなんといっても本作で目を惹くのは猟奇的な死体の数々です。
連作短編なので章ごとに死体が登場しますが、いずれもそのグロテスクさや異様さが際立ちます。
少々人を選ぶかもしれませんが、このぶっ飛んだ倫理観や発想の虜になっている読者もまた多いのでしょう。
もちろんそのような雰囲気だけでなく、ミステリとしての完成度も高く評価できます。
グロさにばかり目がいきがちですが、ストーリーはロジカルな推理ものとしてしっかりと楽しめるようになっている作品です。

20.白井 智之『ミステリー・オーバードーズ』
アイドル系フードファイター・ちびまんは「フナムシ食い王決定戦」に出場する。
しかしその最中、フナムシの入ったバケツに毒を盛られて死亡してしまう。
一体誰が何のために殺したのか?
容疑をかけられた司会者・肉汁すすむは真相を探るべく動き出す―。(「ちびまんとジャンボ」)
“食べる”をテーマにした猟奇的なミステリ5篇
本作は食にまつわるミステリが5つ収録されている短編集です。
あらすじからも分かるように、とにかく本作はどの話も猟奇的なグロテスクさが印象的。
かなり人を選びそうではありますが、こういった作風は作者の持ち味でもあります。
また、そのグロテスクな雰囲気もある意味魅力ではあるのですが、作者の凄さはそれだけではありません。
多くの人がグロテスクで悪趣味だと感じるような内容や設定でありながらも、先が気になり読んでしまうような魅力が確かにあります。
これらは猟奇的な発想と本格ミステリの要素を上手く融合させている作者の手腕でしょう。
本作はミステリとしての完成度も高く、その構成も巧みです。
グロテスクな内容が平気な方であれば、面白く読める作品に仕上がっています。

21.鳥飼否宇『指切りパズル』
人気の動物アイドルユニット・チタクロリン。
彼女らが綾鹿市動物園で行ったコンサートは予想以上の人出で賑わっていた。
そんな中メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られる事件が発生。
動物園の警備員・古林は捜査に協力していくが、その最中関係者が襲われ指を切断される事件が発生する―。
事件の全貌が見えない予想を裏切るミステリ
動物園の警備員・古林と綾鹿署の刑事・谷村がメインとなり事件を解決していくストーリーとなっている本作。
アイドルや動物園といった可愛らしい印象の内容から始まりますが、指切断事件の発生により一気に様相が変化していきます。
本作では最初の事件を皮切りにまた別の事件が発生していきますが、事件の全貌はなかなか見えてきません。
このような謎や疑問といった部分が簡単に明らかにはならない展開なので、読者としても最後までミステリとしての面白さを味わうことができるでしょう。
それでいて展開が遅いなどということもないので、気持ちよく読んでいくことができます。
また、探偵役とも言える古林・谷村の掛け合いもユーモアがあり非常に魅力的です。
ミステリ要素はもちろん、人間模様やそのキャラクター性も楽しめる1冊でしょう。

22.榊林 銘『あと十五秒で死ぬ』
薬剤師である女性は突如何者かに襲撃された。
死ぬ間際、女性のもとに現われたのはある1匹の猫。
その猫は死ぬまであと十五秒あるという。
わずかな時間で犯人を特定し復讐することはできるのか?
死神から与えられた十五秒で彼女がやり遂げたこととは一体―?(「十五秒」)
15秒の死をテーマに描かれるトリッキーな短編集!
15秒後に人が死ぬシチュエーションをテーマに4つの短編が収録されている本作。
たった15秒、されど15秒。
各話主役となる人物たちが様々なエピソードを見せてくれます。
死ぬまでの15秒間で犯人の特定や復讐を目論む話もあれば、ドラマから目を離した15秒で急死したヒロインの謎を解く話や、15秒後に事故にあう悪夢から抜け出すための話などその内容は多種多様。
中には15秒だけ首が取れても死なない人達がいる話など、その設定からはSFのような面白さも垣間見えます。
バラエティに富んだ内容やトリッキーな展開などはこの作品ならではの味となっている見どころの1つでしょう。
本作はミステリとしての面白さに特殊設定のユニークさなども楽しめる作品に仕上がっています。
それぞれ全く異なる15秒の世界をぜひ確かめてみてください。
23.斜線堂 有紀『廃遊園地の殺人』
資産家が買い取った廃遊園地「イリュジオンランド」。
そこは昔プレオープン中に銃乱射事件が起きたいわくつきの場所だった。
そんな廃遊園地への招待を受けたコンビニ店員・眞上永太郎は“イリュジオンランドは宝を見つけたものに譲る“という伝言のもと他の招待客と宝探しに挑む。
しかし翌朝、血まみれ姿の着ぐるみが見つかったことで事態は一変する―。
廃墟を舞台に繰り広げられる本格ミステリ
過去に多くの犠牲者を出した銃乱射事件により閉園を余儀なくされた廃遊園地が舞台となっている本作。
序盤はあくまでも“宝探し”からスタートするのでワクワクした雰囲気すら感じられます。
しかしやはりミステリ作品、最初の殺人事件が発生し様相は一変していきます。
凶悪な殺人事件の描写は思わず息をのんでしまうほど。
登場人物はもちろん、読者をも恐怖に陥れる表現は見事と言わざるを得ません。
また、過去の事件と現在の事件の繋がりなど、終始その物語の見せ方は巧みです。
廃遊園地という気味の悪い舞台や怪しい登場人物たちから雰囲気も感じられ、ミステリ作品の醍醐味とも言えるような伏線の面白さまでしっかりと堪能できる1冊となっています。

24.アンソニー・ホロヴィッツ『ヨルガオ殺人事件』
クレタ島で暮らしている元編集者・スーザン。
ある日彼女のもとに裕福な夫妻から1件の依頼が入る。
なんでも『アラン・コンウェイが書いた「愚行の代償」に8年前に起きた殺人事件の真相が書かれている』と言い残して失踪した娘を探してほしいというのだ。
かつて「愚行の代償」の編集を担当していたスーザンはその依頼を引き受けるが―?
作中作まで登場する二重構成ミステリ
行方不明の娘を探してほしいという依頼から始まる本作は、「カササギ殺人事件」の続編にあたります。
話は娘の失踪事件とその娘が言い残した殺人事件の2つ提示されており、巧みな構成で物語を展開させていきます。
中でもやはり注目なのは“作中作”が登場するところ。
娘が言い残した「愚行の代償」という作品も、本作の中で描かれているのです。
ヨルガオ殺人事件という本の中でさらに愚行の代償という本まで読める。
そんな珍しくも魅力的な構成が目を惹きます。
その他舞台設定や人物描写、謎の提示も非常に上手く、非常に読みやすく面白い本に仕上がっているでしょう。
手の込んだ傑作ミステリを読んでみたい方にはぜひともおすすめしたい1冊です。

25.ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』
イギリスの小さな町に住む17歳の少女・ピップ。
彼女は自由研究として5年前に起きたとある事件を調べることにした。
その事件とは当時17歳の少女の失踪事件。
容疑者は交際相手の少年とされ、その少年が自殺することにより事件は幕を下ろした。
しかしどうしても少年が犯人だと思えないヒップは調査に乗り出し―?
自由研究の題目を活かした青春ミステリ
自由研究で殺人事件の調査をするという驚きの発想で送る本作。
主人公が17歳の高校生ということもあり、その若さや純粋さ、ひたむきさといったものに胸が熱くなるような1冊でしょう。
登場人物とその絆などにも心を打たれます。
物語は当時の事件関係者と接触していくことで展開し、その調査方法もリアリティのある現代ならではという感じでなかなか楽しめます。
謎解きはもちろん迫り来る試練などの見せ方も非常に上手い作品でしょう。
丁寧に描かれているのに最後まで読み切れないような練られた展開も魅力的です。
600ページという長さにも関わらず、途中で退屈してしまうようなこともありません。
ミステリとしての完成度も高く、青春小説のような爽やかな読了感も味わえる素敵な作品となっています。

26.エリー・グリフィス『見知らぬ人』
イギリスのタルガース中等学校。
そこは謎の多い伝記作家・ホランドのかつての邸宅が旧館として用いられていた。
そんなタルガース校で教師としているクレアだが、ある日クレアの同僚が殺されてしまう。
そこにはホランドの短編集「見知らぬ人」に繰り返し出てくるフレーズのメモが残されていた―。
日常とゴシックホラーが融合したミステリ作品
イギリスの学校に勤める教師の周りで次々と殺人事件が発生していく本作。
ストーリーは小説内に登場する作家・ホランドの「見知らぬ人」が断片的に挿入されながら進められていきます。
作中作も楽しみつつ、発生していく事件の謎を読み解いていけるのはとても面白いですね。
雰囲気がゴシックホラーで古き良きミステリの味わいを感じさせるのも魅力の1つでしょう。
また、本作は3人の視点で描かれており、それぞれの物事に対する捉え方の違いなども楽しめます。
多視点展開ならではの心理描写などにも注目です。
もちろん視点の切り替えも巧みで、違和感などは覚えずに読み進めることができます。
視点の変化や挿話など、凝った構成を堪能したミステリを読んで見たい方にはとてもおすすめできる1冊と言えるでしょう。

27.ヨルゲン ブレッケ『ポー殺人事件』
アメリカにあるエドガー・アラン・ポー・ミュージアム。
ある日そこの館長が首を切られ皮を剥がれるという無残な姿で発見された。
そして同時刻、ノルウェーの図書館でも同じ手口の遺体が発見される。
遠く離れた2つの国、果たしてそこで起きた惨劇に繋がりはあるのか?
刑事フェリシアはとある書物に目をつけて捜査を始める―。
2つの場所から始まるめまぐるしい展開のミステリ
2カ国で起こった残虐な事件が繋がりを見せ、2人の刑事を中心に謎を解いていく展開となっている本作。
まず別の国で起こった事件を繋げていくというのが非常に難しく感じられますが、巧みなストーリー展開により違和感なく物語に没頭していけます。
作中ではキーとなる「ヨハンネスの書」という稀覯本が登場しますが、その「ヨハンネスの書」の著者の人生がどのように絡んでくるのかなどにも注目です。
また、1500年代のノルウェーの描写なども見られるので、歴史の関わってくるミステリが好きな人にもおすすめでしょう。
2つの事件、国が関わっているだけにそのストーリー展開は複雑で読み応えもばっちり。
新人賞も受賞しているノルウェー国内ベストセラーリスト第1位の魅力的な作品となっています。
28.リチャード オスマン『木曜殺人クラブ』
イギリスの裕福な高齢者ご用達の施設、クーパーズ・チェイス。
そこには「木曜殺人クラブ」という物騒な名前のサークルが存在した。
そのサークルの主な活動内容は未解決事件の調査。
ある日施設の経営者が殺されたのをきっかけに、その事件の真相究明に乗り出すが―?
傍若無人な老人たちが活躍するユーモアなミステリ
主人公は非常にエネルギッシュな老人たち。
そんな老人たちの趣味サークルの名「木曜殺人クラブ」というのがもうインパクト抜群ですよね。
物騒なネーミングですがこのサークルに所属する4人の老人たちが事件解決をはかる探偵役となります。
老人たちの元気な雰囲気や行動が作品を楽しく読めるユーモアな雰囲気に繋がっているでしょう。
また、本作ではミステリの謎以外にも登場人物たちの背景などにも注目です。
キャラクターの造形も巧みなので深みの感じられる物語となっています。
殺人事件ではありますが、ユーモアがあり全体的な雰囲気としては重すぎず誰にでも読みやすい印象で、愛着を持って読んでいけるようなストーリーと言えるでしょう。
英国では異例のスピードで100万部を突破した良作となっています。
29.アレックス パヴェージ『第八の探偵』
故郷から離れて隠棲している作家グラント・マカリスター。
彼は探偵小説の黄金時代に1冊の短編集を刊行していた。
ある日彼の元を訪ねた編集者は、短編集の復刊を持ちかける。
彼の作品をひとつひとつ読みながら2人は議論を交わしていくが、そこには不穏な空気が漂い―?
一風変わった構成で魅せる衝撃のミステリ
7つの作中作とも言える短編と、各話の間に作家・グラントと編集者・ジュリアの対話が描かれている少し珍しい構成となっている本作。
作中の作家・グラントが書いたとされる短編そのものの完成度も高く、なんとも後味の悪い感じがミステリとしての雰囲気を感じさせます。
ただもちろん本作は作中作の短編を楽しんでいくだけでは終わりません。
編集者であるジュリアが違和感をグラントに突きつけていくことで物語は新たな展開を見せていきます。
おそらく最後の3章は読者に衝撃を与えてくれること間違いなしでしょう。
全体としてはとにかく凝った構成と様々な仕掛けが印象的な作品です。
米ニューヨーク・タイムズ年間ベストスリラーにも選出された、本格ミステリ好きにおすすめしたい注目の1冊となっています。

30.サマンサ ダウニング『殺人記念日』
フロリダに住むとある夫婦は妻の悩みの種であった姉を殺害してしまう。
なんとか隠蔽するものの、2人は殺人に楽しみを感じ始めていた。
次なる獲物を求めていた夫婦だが、あるとき警察に被害者の死体を発見されてしまう。
しかもそこには妻のとある秘密も隠されていて―?
ユーモアな語り口ながらも恐ろしいラストが待ち受けるサスペンス
ふとしたことで人を殺してしまったことから殺人の楽しさに目覚めた夫婦を描いた本作。
夫婦揃って殺人を楽しむというストーリーはかなり狂気的なものではありますが、その語り口はユーモアのあるコメディな印象。
残忍な殺人にもかかわらず比較的ライトで読みやすい作品に仕上がっています。
しかしそのストーリーには絶妙なリアリティにより読者に恐怖を与える場面も。
特に家族や周辺住民への影響などは巧みな演出でしょう。
2人の子どもとの関係や被害者への接触の仕方なども注目です。
また、とある秘密が明らかになる後半は読み応えもばっちり。
ラストも予測不能な素晴らしい展開で締めくくられています。
エドガー賞など数多くのミステリ文学賞にノミネートされた国際的ベストセラーは一読の価値ありです。

コメント
コメント一覧 (2件)
今年も面白そうな作品が揃いましたね!
これは面白かった順番にランキング形式で並んでるのかな?
「シンデレラ」と「密室殺人もの」、ホラーっぽい「見知らぬ人」が気になります。
素敵な記事、ありがとうございました。
orsaymnさんおはようございます!
今年も面白い作品がいっぱいありました〜♪
すみません、ランキング形式ではないです!
わかりにくくてすみません!