【帆村荘六シリーズ】海野十三『蠅男』は奇想天外が楽しい傑作短編集!

今回は先日2016/9/26に発売された、海野十三さんの『蠅男』のあらすじや感想などをご紹介させていただきます。

著者の海野十三さんは「日本SFの始祖の一人」と呼ばれる素晴らしいお方。

その作品は奇想に満ち溢れており、この『蠅男』もミステリー短編集でありながら独特の雰囲気を持った作品です。

非常に風味溢れる面白い作品ですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

 

海野十三『蠅男』

 

今作は

・「蠅男」
・「暗号数字」
・「街の探偵」
・「千早館の迷路」
・「断層顔」

の5編からなる傑作作品集。

全て名探偵・帆村荘六(ほむらろうそく)が活躍するシリーズものです。

早速あらすじを見てみましょう。

1.「蠅男」

今作は文庫にして約400ページほどの短編集なのですが、この表題作「蠅男」が半分以上を占めます。約200ページ以上ありますね。

ある日、大阪の街を襲う奇妙な匂い。

一体この匂いはなんなんだ?と街の人々が疑問に思う中、名探偵・帆村荘六は「キチガイ館」と呼ばれる館にたどり着く。

そこで彼が発見したものとは・・・。

2.「暗号数字」

帆村荘六が暗号解読を頼まれるお話。

著者の海野十三さんが好きだった「虫食い算」を利用した暗号作品なんですけど、これが実に難しい。

なんとか理解しようとしたんですけど、数学があまり得意でない私は途中で考えることを放棄しました。

でもこの暗号の凄さはわかります。

3.「街の探偵」

2編のショートショートからなるオムニバス作品。短いながらビシッとキレの良さを見せつけてくれます。

とある研究所で発見された7人の死体。彼らの研究中に一体何があったのか?

4.「千早館の迷路」

遺書を残して行方不明になった男性を探して欲しい、と依頼を受けた帆村。

彼がたどり着いた先は、奇怪な館「千早館」。その館で待ち受けていたのは・・。

5.「断層顔」

恐ろしい顔をした男に後をつけられている、と相談を受けた帆村。

早速その男に接触してみると、ホントにすごい顔の持ち主だった。

いったい彼は何でこんな顔に?この男は何者なのか?なぜ彼女の後を追うのか?

海野十三さんらしいSF強めの作品で、個人的にかなり好み。

素晴らしきレトロミステリー!

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何が好きかって、作品全体に漂う古き良きな雰囲気ですよ。

『蠅男』に収録されている作品は、いずれも1930〜1940年代に書かれたものばかり。昭和前期です。

今から70年以上も前に書かれたこんな奇抜なミステリを、今この瞬間に読めてしかも今読んでも面白いというのは感動します。

やられた!とか、どんでん返しがすごい!というような作品集ではなく「奇想天外」を楽しむ、みたいな。このような雰囲気溢れるミステリも実に読んでいて楽しいものです。

なんと言えば良いのでしょう。

言うなれば「エンターテインメント怪奇小説」といった感じで、読み物として純粋に面白いんですよね〜(o´∀`o)

シリーズ第一段もあるよ!

 

さて、実は今回ご紹介させていただいた『蠅男』は名探偵・帆村荘六が活躍する作品集の第二弾。

第一弾は『獏鸚』。帆村荘六シリーズ10篇からなる短編集です。

これぞ海野十三!と言わんばかりの奇想天外なミステリが詰まった『獏鸚』。文句なしの面白さを誇りますのでぜひ一度ご覧いただければと思います。

中でも「俘囚」は傑作中の傑作ですよ。

ちなみに第一弾と第二弾とありますが、作品集ですのでどちらから読んでも楽しめますのでご安心ください(●´∀)ノ

『火葬国風景』もお忘れずに!

というわけで今回は、海野十三さんの『蠅男』を簡単にご紹介させていただきました。

同じ帆村荘六シリーズの『獏鸚』と合わせて楽しんでいただければ幸いです。

 

で!!

さらに『火葬国風景』もお忘れずに読むと最高です。

『火葬国風景』は帆村荘六モノではないですが、デビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」を含めた傑作短編集となっております。

海野十三さんの作品を読む上でも欠かせない一作ですので、ぜひぜひご覧になってみてくださいな〜(*´艸`)

それでは最後までありがとうございました。

良い読書ライフを!

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4 件のコメント

  • 「蠅男」読了しました。もちろん「獏鸚」も既読です。
    相当昔ですが、探偵小説のアンソロジーを購入し、「生きている腸」を読んだのが最初です。
    日本SF界の先駆者と言われていると知って、どうしても他の作品も読んでみたいと思い、
    三一書房から発刊されていた全集を何冊か購入しました。
    ですから結構な作品数は読んでると思います。
    残念ながら「蠅男」を収録した巻は購入していなかったので、今回読んでみた次第。
    トンデモな部分はありますが、それでも楽しい笑
    それにしても編者の日下三蔵氏は、いい仕事しますよね。
    今となっては読むことが難しい作品を復活させてくれるんですから。
    書評やコメントなので旧い作品を読んで、古くさいとか、今ではありえない等といった
    感想をたまに見かけることがあるのですが、anpoさんどう思われますか?
    昔の作品なのだから旧いのは当たり前で、私はその作品を書いた時代背景なども含めて
    評価されるべきだと思うんですけどね。(あの時代のこんなこと考えていた人いたんだ、すげー、って)

    ちなみにanpoさんのご推薦で気になっていた作品を1冊購入しました。
    何を買ったか気になりますか?それともどうでもいい?笑
    読了しましたら、またその作品のところでコメントを。
    それとも意外な作品の所にコメントするかも笑

  • bigcanonさんこんばんは〜。
    おお、「生きている腸」が最初なんですね。良いですねえ。
    そうそう、トンデモな部分がまたいい味出してるんですよね笑。この感じが好きなんです。レトロ感もあるし。
    本当に日下三蔵さんには「ありがとうございます」と言いたいですよ。これらの作品を今読めるっていうのはホントに素晴らしいことだと思っています。
    確かに、古くさいとか、今ではありえないとかの意見ってありますよね。
    私はそういうのを見ると、「いやいやいやいや!何言ってるんですか!そこが良いんじゃないですかー!」って一人でツッコミを入れています 笑。むしろ今では味わえないその「古さ」が楽しい部分なのに。もったいない。
    「怖い」のを楽しむためにお化け屋敷に入ったのに、「怖いからダメですね」と言って評価を下げているようなものです(ちょっと違うかな?笑)。つまりは、bigcanonさんの意見に大賛成ということです。
    え、なに買ったんですか、というか、なんでもったいぶってるんですか!笑。教えてくださいよ!気になるじゃないですか笑。
    じゃあ、どんな作品にコメントしていただけるか楽しみに待ってます(人´3`*)

  • 追記です。
    私の意見に賛同していただいて感謝しております。
    読書や作品に対する思いが結構似ているのかもしれませんね笑
    作品をけなすことは簡単ですけど、おもしろさを伝えるのは難しいですよね。
    私の読書方法として、ある作家の作品を1冊読んでイマイチでももう1冊は読むようにしています。
    たまたまハズレ、いや自分の好みに合わないのを選んでしまった可能性もあるので。
    2冊読んで合わなければ、次はないんですけどね笑
    「断層顔」、私も好みですね。というか帆村荘六がサイボーグになっていたことにビックリでした。
    ちなみに「宇宙船」「密航者」「定員オーバー」ときたらトム・ゴドウィン「冷たい方程式」?
    と思ってしまいました。どちらが先なのか調べてはいませんけど。

    何買ったか、もったいぶってるわけじゃないんですけど...
    anpoさんはすぐにコメント返してくれるし、ブログ読んでて面白いし、
    それに考え方も近いようですし、ついついコメントしたくなってしまいます笑

    • 多分かなり似ていると思います 笑。
      あーそれもわかります。私も一冊読んだだけでは作家さんを判断しないです。「たまたま」って可能性もありますからね。
      作品によって「ホントに同じ作家さんが書いたの?!」っていうくらい作風が違う作家さんもいますし、大好きな作家さんでも「ちょっとイマイチかも?」って思ってしまう作品もありますし、そこは一作品読んだだけで決めてしまうのは勿体無いですよね。
      おー!トム・ゴドウィン「冷たい方程式」懐かしいいい!笑。でも「宇宙船」「密航者」「定員オーバー」ときたらイメージしちゃいますよね。
      わー、嬉しいお言葉ありがとうございます(ノД`)
      もったいぶってるなって言ってすいません笑。いやいや、ホントそう言っていただけて何よりですし嬉しいです!

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