【乱歩賞受賞】下村敦史『闇に香る嘘』が文庫化!盲目の主人公は何を視る?

先日、下村敦史さんのミステリ小説『闇に香る嘘』の文庫版が発売されました。

この作品は江戸川乱歩賞を受賞したと言うだけでなく、2015年「このミステリーがすごい!」で3位となり、「週刊文集ミステリーベスト10」でも2位となりました。

さらには作家の有栖川有栖さんが「絶対評価でA」と絶賛したことでもおなじみの作品です。

これは読まなければいけませんね(´∀`。)

では何故これほどまでに評価されているのかというと、当然面白いからですね。

ミステリー小説がお好きであれば、ぜひ一読していただきたい作品です。

 

兄は一体何者なのか?『闇に香る嘘』作品紹介

 

この作品の主人公となるのは、村上和久(むらかみかずひさ)六十九歳。

彼は四十一歳の時に盲目となり、そのことが原因の一つとなり妻と離婚。一人娘である由香里ともうまくいっていない。

さらには由香里の娘、つまり和久の孫娘・夏帆が腎臓病を患っており、腎臓の移植手術を必要としている。

由香里の腎臓はすでに夏帆に提供しているが、1年半で拒絶反応が出てしまいダメだった。

そして和久も検査の結果、腎臓の状態が悪いということで提供できなかった。

 

残るは、現在実家で母と暮らす兄・竜彦しかいない。

 

そしてここが作品のポイント。

弟・和久と兄・竜彦は中国満州で幼い頃に生き別れとなっており、兄の竜彦は長い間中国で育てられたていた。

そして兄が日本に帰ってきた時には、和久はすでに盲目になっていた。

ということ。

 

そんな兄に、和久は孫娘への腎臓提供をお願いするが、病院での検査すら頑なに断られてしまう。

そこで、和久に一つの疑問が浮かぶ。

 

兄は本当に兄なのか?

 

兄を兄と確認したのは母だけ。

その時、自分はすでに目が見えない状態だった。

自分は兄の顔を確認していない。思い返してみれば、兄の不審な点がいくつも浮かび上がってくる。疑惑は膨らんでいくばかりだ。

そして和久は、兄の正体を探るために動き始める。

 

というのが大まかなあらすじです。

メインとなる謎はズバり、兄は何者なのか?という所です。

この他にも、兄の正体を探っていく上で様々な謎が浮かび上がってきます。まさに謎に続く謎の連続で、本当に最後までページをめくる手が止まらないのです。

 

盲目の主人公ならではのスリルがすごい!

04597c45d062446d70259b1e717dff95_s

 

さて、この作品の大きなポイントは「主人公が盲目」というところでしょう。

この物語は終始、盲目の主人公・和久の視点で進んでいきます。

この要素が他のミステリー小説では味わえない面白さ、そして怖さを演出しているのです。

何が怖いかは読んでからのお楽しみですが、私だったら発狂してしまうのではないか、と思えるほど怖かったですね。

 

そしてもちろん怖さだけでなく、ミステリとしても素晴らしい作品です。

特に終盤の伏線回収に関しては唸ってしまいました。

序盤中盤にかけての言葉やセリフそれぞれに重要なヒントが散りばめられており、

終盤を読んでいると「あの言葉はそういう意味だったのか!」「あれがここに繋がってくるのか!」と驚きっぱなし。

あのたくさんの謎が次々に解き明かされていくラストスパートは本当に最高で、「良い読書時間を過ごせた」と素直に思いましたねえ(´▽`)

そして、驚愕の真相は

7727d739ee4679019cedaf68af1a7ad6_s

 

当然ネタバレになってしまうのでここで真相を言うことはできません。

が、一言で言うならば「お見事」です。

兄は一体誰なのか?という謎の驚愕の真相が明らかになるとともに、数々の謎と伏線をキッチリ解き明かし回収していくラストは、何度も言いますが本当に素晴らしいです。

 

今作はいわゆる「社会派ミステリー」に属する作品でしょう。

社会派ミステリーと聞くと「なんだか難しそう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかしこの『闇に香る嘘』は社会派ミステリでありながら非常に読みやすく、謎に続く謎のおかげで最後まで飽きることなく読まされてしまう魅力的な作品です。

どうぞ、ご安心してお読みいただければと思います。

ストーリー★★★★
読みやすさ★★★
ミステリ度★★★★
どんでん返し★★★★
意外性★★★★★
オススメ度★★★★★

 

スポンサーリンク

関連コンテンツ

2 件のコメント

  • こんばんはー!
    hitomi恒例の、今更ながらコメントです(笑)
    すごい気になっていたんですが、いろいろ読みたいのたまってるし、、でも、先日貰ったので
    やっと読むことができました。
    やっぱり主人公が、盲人の方だということが、ハラハラ度をあげてますよね。
    伏線も、辻褄もきちんとしていて、おこがましくも感心しながら読んでしまいました。
    でも、現状として、実際ないとは言い切れない話なのでは?とも思いますよね。
    非常に考えさせられたし、自分は恵まれてるんだな~と感謝もした作品でした。

    • hitomiさんこんにちはー!いつもありがとうございます笑!
      おおー貰ったのですか。それはラッキーですね☆
      そうそう。主人公が盲目ということを非常に活かしていて、サスペンスとしても楽しめる。それでいて、構成と伏線がほんとに感動するくらい綺麗に回収していくんですよね。
      下村敦史さんのミステリって大体この気持ち良さが味わえるから好きです(*´ω`)

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です