『○○○○○○○○殺人事件』が文庫化!メフィスト賞らしさ満点のタイトル当てに挑戦しよう

早坂吝さんの『○○○○○○○○殺人事件』が文庫化されました!しかも大幅に加筆修正されて。

『○○○○○○○○殺人事件』がどんな作品か簡単にまとめると、

孤島、館、クローズドサークル、という本格ミステリ要素満載でありながら、下品でおバカで「なんだこれ」ってなる作品です(褒めてます)。

まずいきなり「読者への挑戦状」から始まりますからね。

今回諸君に取り組んでいただくのは、犯人当てでも、トリック当てでも、動機当てでもなく、タイトル当てである。

○の数は伏せられている言葉の字数に対応する。したがって八文字ということになるが、これは漢字かな混じりで八文字という意味だ。どれを漢字にするかで字数にズレが生じる可能性もあるので、すべてひらがらに直した場合の字数も挙げておくと、十三文字である。

P.9より

そしてタイトルは事件のトリックを言い当てており、タイトルがわかれば事件の全貌も明らかになる、と早坂さんは述べています。

これが本書の特徴となる、世にも珍しい「タイトル当て」です。そりゃ話題にもなりますわ(゚m゚*)

早速どんなお話なのか見てみましょう!

 

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『○○○○○○○○殺人事件』のあらすじ

 

沖 健太郎が向かうのは、小笠原諸島にある再従兄弟島(またいとこじま)。

あるブログを通じて知り合ったメンバー7人と仲良くなり、毎年この島でオフ会を開いているのです。

同じメンバーである小野寺渚に思いを寄せている健太郎は、気の合うメンバーたちと今年も楽しむぞ!と意気込んでいました。

しかし、フリーライターの成瀬瞬がメンバーに無断で〈上木らいち〉という女の子を連れてきて、なんで勝手なことをするの!(怒)とメンバーの間に不穏な空気が流れます。

講談社ノベルス版の表紙の子ですね。

 

はたして、この〈上木らいち〉は何者なのか。。。

ちなみに〈上木らいち〉は、早坂吝さんの他作品にも登場するメインキャラクターとなっています。

 

さて、いろいろゴタゴタがありましたが無事に再従兄弟島に到着。

島の所有者である黒沼夫妻に迎え入れられ、これから楽しいバカンスの始まり!……と思いきや、そうはいきません。

島について間もなく、ある人物が手紙を残して失踪。どうやら唯一のクルーザーに乗って島から脱出したらしく、健太郎たちは島に取り残されてしまうことに。

そしてやっぱり殺人事件が。。

安定安心のメフィスト賞。

あらすじだけ見れば、孤島を舞台にしたクローズドサークルに読者への挑戦、といういかにもな本格ミステリです。

が、私が初めて読んだ時に思ったのは

 

「さすがメフィスト賞!!!」

 

です。

他にも「なんだこれ」「斬新!」「そんなバカな」など、数々の感情が私を襲ってきました。

とにかくあのトリックが明らかになった時のインパクトが凄い。うそーーーん!ってなります。「バカミス」と呼ばれるのも納得なのです。

で、おそらくこれが評価の別れどころ。

真面目に本格ミステリを楽しみたい!という方が読めば「ふざけているの?」という気持ちになるでしょう。

わかります。これはメフィスト賞の中でも『六枚のとんかつ (講談社文庫)』と肩を並べるほどにクセの強いほうです。

しかもかなり下品です(良い意味で)。決して万人受けするものではないでしょう。

でもイヤな気分になるようなモノではなく「さすが!笑」「やってくれましたね!」みたいな感じでしたので私は大丈夫でしたが、下ネタ全開、アダルトな描写とかありますので、苦手な方はご注意ください。

バカバカしいだけじゃない!

タイトル当てをメインとしていますが、たとえその部分がなくても面白いミステリだと私は思います。

ミステリー小説としてのプロットや伏線、ミスリードもしっかりしているし、加筆修正版を改めて読んでみて上手いなあ、と思う点がいくつかありました。

バカバカしさに目を奪われがちですが、きちんとミステリ小説のポイントは抑えています。

もし途中でタイトルがわかったとしても(絶対わからない)、本書の面白さが激減するということはないのでご安心ください。

そして何よりあのインパクトはなかなか忘れられるものではないので、いろんな意味で心に残る作品となるでしょう。

麻耶雄嵩さんの解説も楽しめますし、加筆修正された文庫版が出たこの機会に「そんなバカな!笑」と叫んでしまうような大トリックを味わってみていただけたらと思います(´∀`●)

「メフィスト賞」のおすすめ作品16選。面白ければ何でもアリなのだ!

2017.01.07
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8 件のコメント

  • ちょうど一昨日読みました!
    待ち焦がれた文庫化でした。

    まず思ったのは、しっかり本格ミステリしているということでしたね。
    勿論爆笑の真相には腹を捩らせながら呆れ返ったものですが、その実非常に ロジカルで、決して一発屋になるような人ではないなと思いました。
    個人的に最も面白かった部分は、主人公がらいちから受ける初めての快感にあんな意味があったとはというところですね(笑)
    早く他の作品も読みたいです!

    • おお、グッドタイミングです!やっぱり待ち焦がれますよねー。
      そうそう、バカバカしさに目を奪われがちですが、よく読めばちゃんと本格ミステリしているんですよね。
      それでいて笑わせてくれるんだから最高ですよ。個人的にもかなり好きなんですけど、絶対好き嫌いが分かれるでしょうね。南国モードって!笑。

  • はて、○○が帰ってきてないねの部分めっちゃ好きです。所々に入る謎の人物が作品をバカにするところも好き。結局 タイトル当てれなくて悔しかったです。らいちの発散もよかったよ!

    • はて、○○が帰ってきてないねの部分わたしも好きです!笑
      わたしも当然タイトル当てなんてできませんでしたよ。。これ、わかった方いるんですかね。
      発散も良いですよね!上木らいち作品は出ているもの全て読んでおりますが、今のところ見事にハズレなしですよね〜。謎の安定感(ノ∀`*)

  • 初コメです
    この記事を読んで気になって買ってしまいました・・・
    なんというかバカバカしくて笑ってしまうのにミステリとしてちゃんとしてるのが憎いですw
    タイトル当ては言葉をいろいろ思い浮かべながら読んだら一つだけ合致するものがあって案の定・・・という感じだったんですがここから真相までたどり着けなかった・・・悔しい・・・というかわかるか!
    いやぁいい作品を教えてもらいました。ありがとうございました!
    これからも更新楽しみにしてます(三津田作品が好きなので新作感想記事などが出たらまたコメントしてしまうかもしれませんwその時はよろしくお願いします)

    • 8823さんはじめまして(*´∀`)
      気になっていただいてありがとうございます!笑
      そうなんですよね。バカバカしいだけでなくちゃんとミステリしているところが流石ですよね。バランスが絶妙なんですわ。
      ええー!タイトル当たったんですか!それだけでも凄いじゃあないですか!私なんて途中で考えることを放棄しましたよ。。
      ほんと「わかるかい!」って真相でしたし笑。
      三津田作品は私も大好物です!なので新作感想記事は絶対書くと思います。ああ、なんだか嬉しい。こちらこそぜひよろしくお願いいたしします(ノ∀`*)

  • 読了しました....
    何と言ったらよいのやら...
    バカバカしいのは、その通りなんですけど、確かに本格ミステリではあるし、
    それぞれの行動にも意味があるし、伏線もちゃんと張ってあるし、
    まあ予想もつかないことが多かったですけどね笑
    っていうか、誰が予想できる「南国モード」!!!!!
    誰がわかる、このタイトル!
    途中からは、メタミステリの一種かな?ってかんじで読みましたけどね。
    ノベルズ版から、かなり加筆修正がされているようですが、
    相当違うんですかね?

    まあ、私の好みのど真ん中ではありませんが(anpoさんはおわかりだと思います)、
    たまにはこういうのもいいかなっと。

    それより甲賀三郎先生の「蟇屋敷の殺人」が気になります。
    むかしなつかし探偵小説。わくわくするな笑

    • bigcanonさん!読んでしまいましたか。この作品を。笑
      いやほんと「わかるかい!!!」って感じですよね。南国モードって!!
      でも本格ミステリしてるからにくい。。。まさに予測不能のオンパレードです。
      ノベルズ版とは結構違いますね。
      確かに大まかなストーリーは一緒ですけど、なんと殺人事件が一つ追加されてますから。超加筆ですよ。
      確かに私もど真ん中ではありませんが、大いに楽しませていただいたのでオーケーです(*´ω`)
      お、やはり「蟇屋敷の殺人」が気になっちゃいます?なんとなくわかってました笑。昔ながらの探偵小説ってなんでこんなワクワクするんでしょうね!

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