北村薫「円紫さんシリーズ」は〈日常の謎〉好きなら必読です。順番あらすじ

さて、今回は北村薫さんの「円紫さんシリーズ」の読む順番やあらすじなどをご紹介です。

この「円紫さんシリーズ」は言わゆる〈日常の謎〉をメインとしたミステリーシリーズ。

女子大生の「私」が日常で出会った謎を、落語家の円紫(えんし)師匠が解決していくというスタイルです。

「殺人が生きないミステリ」ながら、主人公が出会うのは気になる謎ばかりでグイグイ読んでしまいますし、円紫師匠の推理もキレッキレで結構読み応えもあるんですよね〜(´∀`)

 

さてこの「円紫さんシリーズ」なのですが、必ず順番に読みましょう。

それには大きな理由があるのです。

その答えは、それぞれの表紙に描かれている主人公・「私」の姿を見ていただければわかるでしょう。

 

1作目『空飛ぶ馬』

2作目『夜の蟬』

3作目『秋の花』

4作目『六の宮の姫君』

5作目『朝霧』

6作目『太宰治の辞書』

 

お分かりいただけたでしょうか。

そうなんです。

主人公の女性が少しづつ成長しているのです。

これがこそが「円紫さんシリーズ」の大きな魅力の一つ。

作品を通して、シリーズの中で主人公の「私」が歳をとり成長していくのです。

これは順番に読むしかないでしょう!!ってわけですよ(*´∀`*)

私も最初はミステリー小説として読んでいたんですけど、今や「私の成長小説」として追いかけていますからね。

ぜひぜひ、読んでみていただければと思います( *´艸)

 

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1.『空飛ぶ馬』

 

円紫さんシリーズの一作目にして北村薫さんのデビュー作。まずはこの作品から読み始めましょう。

収録作品は「織部の霊 / 砂糖合戦 / 胡桃の中の鳥 / 赤頭巾 / 空飛ぶ馬」の5編。

どれも日常の中に潜むふとした謎ばかりで気軽に読む事ができますが、しっかりと本格推理を見せつけてくれます。

個人的なお気に入りは、3人の女子高生はなぜ紅茶に砂糖を何杯も入れるのか?という謎を解き明かす「砂糖合戦」と、公園で見かける赤い服を着た謎の少女に迫る「赤頭巾」。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

2.『夜の蝉』

 

シリーズ二作目。「この作品が一番好き!」という方も多いですね。

このあたりから、「円紫さんシリーズ」はただのミステリ小説ではなく「私」の小説だという事に気がつき始めます。北村さんが描く「私」の物語にどっぷり浸かりましょう。

収録作品は「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の3編。

軽井沢の別荘で無くなったチェスの駒。見つかったと思ったら今度はアレが無くなって・・・という不思議な謎を描いた「六月の花嫁」が好み(´∀`*)

呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性たち―ふたりの友人、姉―を核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三編。

3.『秋の花』

 

シリーズ三作目にして初の長編。そして初めて人の「死」が関わる物語です。

文化祭準備中に起きてしまった女子高生・真理子の墜落死。親友だった利恵は抜け殻状態。そんな後輩の姿を目の当たりにした「私」は、事件の真相を解決しようとしていくが。

初の長編でありながら「親友の死」というもを軸に置いた物語は、初めて読んだ時の私にはあまりにもショッキングなものでした。

残酷な物語なんですけど心に染みるセリフもいくつもあって、私の中でも特別な作品となっています。読み返したいけど、胸が痛くてなかなかできない・・(ノД`)

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。

4.『六の宮の姫君』

 

芥川龍之介の「六の宮の姫君」という短編小説と、彼が残した「あれは玉突きだね。・・いや、というよりはキャッチボールだ」という謎の言葉を巡る物語。

今までの「日常の謎」シリーズとは思えない特殊な雰囲気。ちょっと異色な作品です。

正直初めて読んだ時はあまり面白いと思えなかったんですが、時間が経ってから読むとその面白さに気が付くことができました。

しかも芥川龍之介や他の文豪にとても興味が湧いてきて、もともと高い読書欲をさらに掻き立てられるんです。もう勘弁して(ノ∀`;)

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。

5.『朝霧』

 

長編が続きましたが、今作は「山眠る / 走り来るもの / 朝霧」の3編からなる短編集。「やはり円紫さんシリーズは短編!」という方も多いようですね。

「私」が大学を卒業し、とうとう社会人としての物語がスタートします。

このように、主人公が大人へと成長していく過程を共に歩めるのが「円紫さんシリーズ」の良いところ。

もはやミステリとしてではなく「私」の成長記としてこのシリーズを追っている次第でございます。

卒業論文を仕上げ巣立ちの時を迎えた主人公は出版社の編集者として社会人生活のスタートを切り、新たな抒情詩を奏でていく。

6.『太宰治の辞書』

 

なんと、前作から実に17年ぶりの続編となった今作。発売された時は夢かと思いました。

そして作品の中でも20年もの時が流れ、前作では社会人になったばかりの「私」が今作では結婚して中学生の子供までいるんですよ。

それでも変わらず「私」は「私」で安心しました。

今作は芥川龍之介や太宰治など古典の作品を巡るお話3編からなる短編集。読むともっと本が好きになってしまう物語でしたね。ただ円紫さんの登場が少ないのがちょっと残念だったり(ノω`*)

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。芥川の「舞踏会」の花火、太宰の「女生徒」の〝ロココ料理〞、朔太郎の詩のおだまきの花……その世界に胸震わす喜び。自分を賭けて読み解いていく醍醐味。

今回はここまで!

というわけで今回は北村薫さんの「円紫さんシリーズ」をご紹介させていただきました。

「日常の謎」というジャンルが好きな方はぜひ読んでみてくださいな。

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それでは良い読書ライフを!(* >ω<)=3

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2 件のコメント

  • はじめてこのブログを知り、はじめて読んだ記事が大好きな北村先生のお話でとてもびっくりしました。個人的に落語とミステリーが大好きで、両方の特徴がある円紫さんシリーズは大好きな作品です。北村先生は覆面作家シリーズも好きな作品です。

    • アラシナオヤさん!コメントありがとうございます!
      そ、それはまさに「運命」というやつではないでしょうか(ノ∀≦。)ノ
      落語とミステリーどちらもお好きでしたらこのシリーズはたまらないですね。私はミステリーが好きなだけでしたが、円紫さんシリーズを読んで落語にも興味が湧いてきたパターンです☆
      私も覆面作家シリーズ好きです!というか北村さんの作品はほとんど好きですね(* >ω<)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    anpo39

    年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。休日は引きこもって本ばっかり読んでいるので、人との交流があまりありません。仲良くしていただけたら嬉しいです(*≧д≦)