【哲学とミステリ】笠井潔「矢吹駆シリーズ」の順番やあらすじ

今回は笠井潔(かさいきよし)さんの「矢吹駆シリーズ」の順番やあらすじなどをご紹介させていただきます。

ミステリー小説には数々の名探偵が存在しますが、その中でも矢吹駆(やぶきかける)は決して忘れてはならない名探偵の一人。

このシリーズは哲学・思想を大いに取り入れた作品となっており、他のミステリー小説とはまた一風違った読書の楽しさを味わうことができます。

が、そのぶん良い意味でのクセがあります。このクセにバッチリハマればもう最高です。

まずは一作目を試しに読んでみてくださいな〜(*´꒳`*)

 

1.『バイバイ、エンジェル』

 

記念すべきシリーズ一作目。

パリで発生した首なし殺人事件に矢吹駆が挑みます。

とにもかくにも、普通のミステリ小説ではないですね。哲学要素も入っていて、結構読み手を選ぶことで有名な作品です。

私も最初は哲学とかよくわからなかっけど、大人になって再読したら「ああ、これは面白いねえ!」ってなりました。

ミステリとしての完成度も非常に高いので、自分に合うか合わないかを確かめる為にも一度は読んでいただきたい名作です( *´艸`)

ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、血の池の中央に外出用の服を着け、うつぶせに横たわっていた女の死体は、あるべき場所に首がなかった。こうして幕を開けたラルース家を巡る連続殺人事件。

2.『サマー・アポカリプス』

 

シリーズ第二弾にして最高傑作との呼び声も高い名作。

ヨハネ黙示録に見立てた殺人、古城での密室、2度殺された死体、などなどワクワク要素満載の贅沢な物語です。

ミステリの中にオカルトや哲学思想を練りこんで独特な雰囲気に。

ミステリとしてもちろん単純に読み物として面白い!サクッと読める感じではないですが、その分じっくりと世界観に浸れる読み応えのある作品です。

灼熱の太陽に喘ぐパリが漸く黄昏れた頃、不意にカケルを見舞った兇弾―その銃声に封印を解かれたかの如くヨハネ黙示録の四騎士が彷徨い始める。聖書の言葉どおりに見立てられた屍がひとつ、またひとつと、中世カタリ派の聖地に築かれていく。

3.『薔薇の女』

 

一作目二作目と比べるとアッサリしていて読みやすいのが印象的な第三弾。

一人暮らしの女性が殺されて、体の一部が持ち去られるという奇妙な事件。さらに続く同様の殺人。

なぜ体の一部を持ち去るのか。

女性の体の一部が持ちさられるというと、どことなく島田荘司さんの『占星術殺人事件』を思い出しますねえ。

『バイバイ、エンジェル』『サマー・アポカリプス』と比べると世間の評価は低めなのですが、個人的にはかなり面白く読めた作品です(ノ∀`)

火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。現場には赤い薔薇と血の署名――映画女優を夢みるシルヴィーを皮切りに、連続切断魔の蛮行がパリ市街を席捲する。

4.『哲学者の密室』

 

文庫にして1100ページ超えという圧巻のボリュームを誇る名作。

パリの「森屋敷」で起こった〈三重密室殺人〉を軸に進む物語です。ただの密室ではなく〈三重密室〉ですからね。

死体が発見された部屋はもちろん外から施錠されていて、その部屋に通ずる階段も、屋敷自体も完全な監視下にあったのですよ!

謎解きの所などミステリとして超面白いのですが、相変わらず哲学的な要素たっぷりですのでそこを楽しめるかどうかがポイントです(´ε`●)

パリの財閥邸「森屋敷」で、殺人事件が発生。現場は自殺としか考えられない「三重密室」だった…。事件の源は、三十年前のナチス・ドイツのコフカ収容所の惨虐事件にあった…。

0.『熾天使の夏』

 

第一弾の『バイバイ、エンジェル』よりも前の、矢吹駆の過去を描いた作品。いわゆる「エピソード0」という感じですね。

ミステリー小説ではないですが、シリーズを読んできて矢吹駆に魅力を感じたのなら是非とも読んでおきたい作品です。

少々読みづらいのですが、読み物として面白い。というか重いです。

学生運動に伴うリンチ事件の主謀者としての刑務所生活を終え、ひっそりと男は暮らしていた。ある日彼は誰かに尾行されていることに気づく。待ち伏せてみるとそれは昔の仲間であったのだが…。

5.『オイディプス症候群』

 

きました。私が矢吹駆シリーズの中でいちばん好きな作品です。

「オイディプス症候群」という奇病に犯された友人に頼まれて、絶海の孤島「牛首島」に向かった矢吹たち。

そんな「牛首島」に建つ奇妙な「ダイダロス館」に集まった人々。外は嵐で外部との連絡は不能、そして殺人事件。

孤島に館に連続殺人ですよ!たまりませんね!!どことなく綾辻行人さんの『十角館の殺人』を匂わせるこの感じ。。

そんなミステリの王道を舞台に、矢吹駆シリーズらしい哲学思想とギリシャ神話などをミックスさせた他にはない作品となっています。

中央アフリカで発見された奇病。その奇病に冒されたウイルス学者である友人に頼まれ、ナディア・モガールと矢吹駆は、アテネに向かう。

番外編.『青銅の悲劇』

 

矢吹駆シリーズ初の日本編、番外編です。さらに矢吹駆は登場せず。

今まで矢吹のワトソン役だったナディアが探偵役を務めます。

ストーリーとしてはかなり地味な方で、淡々と推理合戦が行われたり、哲学思想してたり。

シリーズを今まで読んできたならそれなりに面白いのですが、一番最初に読んでしまうとちょっときついかも。

1988年末、東京郊外頼拓市の旧家、鷹見澤家で奇妙な現象が続発。不穏な空気の中、冬至の日に執り行われた会食の席上で、当主、鷹見澤信輔が突然倒れる!それは、トリカブトを使った毒殺未遂事件だった…。

6.『吸血鬼と精神分析』

 

やっぱり長いし哲学だらけで毎回読み疲れるのに、新作が出れば読まずにはいられないクセになるシリーズ。

エピソード0の『熾天使の夏』、番外編の『青銅の悲劇』を除けばこれでシリーズ6作目です。

『オイディプス症候群』から実に9年ぶりの新作でしたからね。単行本が出た瞬間に買いに行ったのを覚えています。

今回はパリで起きた女性殺害事件、しかも死体の血が全て抜かれていた、という吸血鬼を思わせる事件に矢吹駆が挑みます。

魅力的な舞台を背に相変わらずの哲学論争が繰り広げられますが、シリーズ1作目から読んでいるのなら存分に楽しめるでしょう。

パリ市東部に位置するヴァンセンヌの森で女性の焼屍体が発見された。奇妙なことに、その躰からはすべての血が抜かれていた。続いて、第二、第三の殺人が起こり、世間では「吸血鬼」事件として注目される。

おわりに

現時点(2016/11/04)で発刊されている「矢吹駆シリーズ」は以上で終わりです。

ちょっと読むのが大変ですが、ミステリがお好きならぜひ一度は読んでおきたいところ!

でもなかなかのクセがあるので、まずはシリーズ1作目『バイバイ、エンジェル』2作目『サマー・アポカリプス』辺りを読んでみて、このシリーズが合うか合わないか試してみると良いでしょう(*>ω<*)

それでは最後までありがとうございました。良い読書ライフを!

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