古典名作『ホッグ連続殺人』-連続殺人鬼の意外な正体と『HOG』の意味に驚きと快感を

エラリー・クイーンを溺愛し、クイーンに憧れて推理小説家を目指したといわれる作家・ウィリアム・L・デアンドリア。

そんな彼の本格推理小説『ホッグ連続殺人』を簡単にご紹介です。

一言でいえば、「ミステリ小説がお好きなら絶対に読んでおいてほしい作品」なのです。

 

連続殺人鬼の「まさか」の正体-『ホッグ連続殺人』

 

新聞記者のビューアルは車を運転している最中、目の前を走る車に大きな看板が落ち、そのうち二人が死亡し一人が重傷を負うという事故を目撃した。

不運な事故を思われたが、その後『HOG』と名乗る者から「あれ私が殺した」という内容の手紙がビューアルのもとに届く。

その事件を皮切りに、ニューヨーク州スパーダ町では連続殺人事件が発生する。

不可能としか思えない状況であっても、姿を見せることなく確実にを犯罪を行っていく『HOG』。

事件が起きた後には、かならず『HOG』から手紙が届く。

 

『HOG』とは何者なのか。その目的は。

そんな事件に、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が挑む、という物語です。

被害者の共通点はどこに

まず事件の特徴として、

①被害者に共通点が見当たらない(完全な無差別)

②殺害方法はバラバラ。

③被害者を事故死に見せかける(そのため、警察は事故が起こるたびに「HOG」が起こした事件ではないのか?と疑うことになる)

④その後、『HOG』から殺人においての声明文が届く(なぜわざわざ声明文を?)。

などがありますね。

いわゆる〈ミッシングリンク〉を扱った本格ミステリです。

つまり「見えない繋がり」というか、今回でいえば無差別殺人による被害者の共通点を巡ることです。

ミッシングリンクものとしてはアガサ・クリスティ『ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫)』やクイーンの『九尾の猫(ハヤカワ・ミステリ文庫)』などの傑作がありますが、この『ホッグ連続殺人』にはまた違ったユニークさがあります。

というか『ABC殺人事件』『九尾の猫』などの作品を読んでいるからこそ「そうくるか!!」ってなるわけですよ。

この作品を初めて読んだ頃、まだミステリ慣れしてなかった私は衝撃を受けました。このパターンもあるのね、と。

 

何より感銘を受けた『HOG』の意味。

ミステリ読み慣れちゃっているから、いまさら古典作品を読んでも驚けなさそうなんだよね〜(-ω- )

という方にこそぜひ読んでみていただきたいです。

読んでいる途中にたとえ犯人やメイントリックに気がついてしまったとしても、「このパターンもある」ということを知るだけでも今後のミステリ生活に影響を与えるでしょう。

物語の途中にある『HOG』の意味に関しての仮説合戦も見所なわけですが、特に「犯人はなぜ『HOG』と名乗るのか」の意味が明かされるラスト一行の美しさはたまらないですね。

正直メイントリックより震えました。これを味わうだけでも読む価値ありなんじゃないかなってくらいに。

『HOG』の意味を知りたくないですか?

犯人はなんで『HOG』って名乗るのだろう?って気になりません?( ゚∀゚)

この意味は最後まで読むとわかるのですが、驚愕というより「なるほど!」みたいなスッキリ感の方が強いです。物語にのめり込んでいればいるほど気持ち良さが味わえるでしょう。

「犯人について私たちが知っている唯一のことといえば、手紙に”HOG”とサインしてくる、それだけだからだよ。つまり、なぜ”HOG”なのか、ということなんだ。奴にとっては、なにかを意味しているに違いない、そうだろ?」

P.217より

おわりに

というわけで図書館で借りて10年以上ぶりくらいに再読したわけですが、やっぱり面白いですよコレ。

すでにミステリ小説慣れしている方が読んでも全然楽しめると思います。

古典ミステリに興味があるならぜひ一読をオススメします。

 

……あとは『視聴率の殺人』と『フルフ殺人事件』を新訳版で出してほしいなあ!!

 

もし未読であれば、クリスティの『ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫)』とクイーンの『九尾の猫(ハヤカワ・ミステリ文庫)』も一緒に読んじゃいましょう(σ´∀`)σ

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