中山七里『ヒポクラテスの誓い』が文庫化!死体が語る真実に迫る。

 

中山七里(なかやましちり)さんと言えば「どんでん返しの帝王」とも呼ばれることで有名な作家さん。

さよならドビュッシー (宝島社文庫)』『連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)』《御子柴礼司シリーズ》などなど、多くの人気作を手がけています。

弁護士、ピアニスト、警察官、と様々なジャンルの世界を描いてきた中山さんですが

今回ご紹介させていただく『ヒポクラテスの誓い』は「法医学」を舞台とした連作短編ミステリーです。

法医学と聞いて「難しそうだなぁ」と思う方もいるでしょう。でも心配は無用、びっくりするほど読みやすいので安心してください●゚∀゚)ノ

 

死体はお好き?『ヒポクラテスの誓い』あらすじ

 

この作品の中心となるのは、研修医の栂野真琴(つがのまこと)。

彼女は教授からの命令により、気が進まないまま法医学教室で研修をすることになります。

そこで出会うは、死体大好き外国人准教授のキャシーと生ける伝説・光崎藤次郎(みつざきとうじろう)教授。

そのほか個性的なキャラに触れ合いながら、新米研修医の真琴はズブズブと法医学の世界に足を踏み入れいきます。

中山さんの作品を多数読んでいるなら、登場人物にニヤリとする方も多いでしょう。

死体は嘘をつかない

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今作は、事件性のないと思われる死体を解剖して真実を明らかにする、という法医学ミステリの王道を行くストーリーです。

①事件発生

②どう見てもこういう事件だね

③しかし死体に違和感を覚える
↓
④光崎教授が死体を解剖

⑤死体に隠された真実が明らかになる

という流れですね。安心して読めますし、安定して面白いです。

ほんと、「死体を解剖するとこんなことまでわかるのか」とびっくりしますよ。

死体は嘘をつかない、とはまさにこの事です(●´人`)

 

収録作品の簡単なあらすじ

『ヒポクラテスの誓い』は5編からなる連作短編集となっています。それぞの作品のあらすじをちょっとだけご紹介です。

1.生者と死者

まず序盤では人物紹介、法医学の世界とはどんなものか?簡単に紹介されています。そして「生者」と「死者」についても。

この時点で「法医学」という未知の世界にグッと引き込まれるんです。

私には知らないことばかりの世界。だからこそ新鮮で非常に楽しい。

 

さて、真琴が関わる初の事件は、河川敷で見つかった男性の死体。死因は凍死。

状況から判断するに、酒を飲んで酔っぱらったまま寝てしまい凍死した。というどこからどう見ても単純な事故死に見えるが。

はたして、光崎教授の解剖によって明らかになる真実とは。

2.加害者と被害者

車で自転車を跳ねてしまい、自転車に乗っていた女性を死なせてしまった男性。

しかし家族の証言によると、車を運転していた男性はかなりの安全運転する人で、人を跳ねるような運転をするなんて考えられない!とのことだが、、

3.監察医と法医学者

ボートレース中におきた事故。

80キロもの速度で壁に激突して亡くなった男性。これは事故か?殺人か?

死体を解剖することによってその原因がわかってしまうからすごい。

4.母と娘

肺炎を患ってた女性が急死。

内容はあまり書けないけど、この事件が読んでて一番キツかったです。

5.背約と誓約

腹膜炎で入院していたわずか10歳の少女が急死。一体なぜ?

最後の章にふさわしい、ミステリー小説として非常に面白い作品でした。

 

シンプルに面白く、中山さんらしさも味わえるミステリー

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「どんでん返しの帝王」とも呼ばれる中山七里さん。

もちろん今作もラストには「おおっ!」と言わせてくれますが、それぞれの短編に大きなどんでん返しがあるわけではありませんでした。

七里さんにしてみればどんでん返し感は低めです。

なのに。

なのに面白い!

面白いミステリー小説というのは「どんでん返し」が無くたって面白いんだ、ということを改めて実感する作品でした。

もう純粋に「死体に隠された真実」が気になりすぎて、真相が明らかになったときはかなりの爽快感を覚えます。

 

解剖したくても、遺族の了承が得られなければ解剖することはできず真実は闇の中。

死んでしまったとはいえ、愛する者の体を切り刻まれることに抵抗する遺族たちとの掛け合いにもハラハラします。

そして何より、1話目では死体の事など何も知らなかった真琴が様々な経験を通して成長していく様をぜひともご覧いただければと思います。

 

 

 

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anpo39

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。休日は引きこもって本ばっかり読んでいるので、人との交流があまりありません。仲良くしていただけたら嬉しいです(*≧д≦)