『覆面作家は二人いる』は、お嬢様のキャラ良すぎの名作「日常の謎」シリーズ

『覆面作家は二人いる』は北村薫(きたむらかおる)さんによる日常の謎シリーズ。

北村薫さんの日常の謎といえば『円紫さん』シリーズが有名ですが、こちらの「覆面作家シリーズ」も忘れてはなりません。

『円紫さん』シリーズと同じ「日常の謎」をメインとしているんですが、とにかくキャラキターが良いんです!探偵役のお嬢様はもちろん執事さんもいいし、編集者の良介も兄の優介も。。

と、言い出したらきりがないので、まずはあらすじだけでも見ていってくださいなあ(*´ω`)ノ

 

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北村薫『覆面作家は二人いる』

 

編集者・岡部良介が担当する『推理世界』宛に送られてきた一つの作品。

面白くないないわけではないのですが、ところどころおかしい部分がある(メールがどんなものかわかっていなかったり、いきなり変なシーンがあったり)。

でも、なんか気になるから「岡部くんちょっとこの人に合ってきて!」って左近先輩に言われて、作品を描いた新妻千秋の元に良介が向かいます。

こんな作品を書くなんていったいどんな人物なんだ、、、と思いながらも住所が書いてある場所に着いた良介はビックリ。

そこにあったのはとっても豪華な屋敷。しかも、この作品を書いたというのはここのお嬢様だったのです。

色白の顔がつやつやしているところは、子供の肌を思わせた。睫毛の長い瞳の大きな目は、真剣にカップに注がれる琥珀色の流れを見詰めている。神経を集中しようとしている様子が何とも可愛い。化粧っけのない顔だが、色白なので唇の輪郭がはっきりしている。ルージュなどいらない形のいい口元だ。着ているものの趣味より中身の方が若そうだ。二十歳前後だろう。

P.28より

お嬢様の様子が・・・

まあとっても美人なお嬢様だったんですよね。しかも新妻千秋というのもペンネームではなく本名らしい。

で、会話をしているうちに良介が出会った不思議な謎の話になったんですよ。そしたら、一瞬でその謎を解いちゃったんです。

そのセンスに興味が湧いた良介は、刑事の兄貴から聞いた「女子校で起きた殺人事件」の話を千秋にしてみました。

そしたら話を聞き終えた千秋は「こうしてはいられないわ!」と叫び、良介と一緒に事件の起きた女子寮へと向かうと言います。

なんか、ひらめいちゃったみたいですね(´∀`*)

じゃあ行きましょうということで、ブルゾン&ジーパン姿に着替えた千秋と屋敷の外に出たのですが・・・。

「新妻さん」

千秋さんはぴたりと足を止め、振り向いた。

「やめてくれよ」

「は?」

「は、じゃないよ。いやだから、やめてくれっていってるんだ」

別人かと思った。だが間違いなく、あのどきりとするほど可憐なお嬢様である。その描いたように形のいい眉がキリキリと寄せられている。寒風が二人の間で、ひゅうっと鳴った。

P.43より

ち、千秋さん・・・?(゚m゚*)

 

そうなんです。

千秋さんは屋敷の中ではおとなしく可憐な方なのに、外に出ると性格が豹変してしまうんです!

キャラ立ち抜群の日常の謎

というわけで『覆面作家は二人いる』は、屋敷の外に出ると別人のようになってしまうお嬢様・新妻千秋と編集者・岡部良介のコンビを中心とした「日常の謎」ミステリとなります。

ミステリも面白いですが、何より千秋さんのキャラですよ。キャラでグイグイ読ませてくれちゃうタイプの作品です。

お嬢様の豹変っぷり、二人のやりとり、良介の兄・優介も混じってドタバタする感じがとっても楽しい。執事さんも良い。ミステリなんてそっちのけになってしまいます 笑。

とはいえ推理も実に論理的で、「ほえ〜なるほどね〜」って言わせてくれます。

しかも、早い。解決するのがすごく早い。なのでテンポが良い。そして文章も読みやすい。

気軽に楽しめる日常の謎、として完璧です。

続編も!

『覆面作家は二人いる』はシリーズ一作目。この後は②『覆面作家の愛の歌 (角川文庫)』③『覆面作家の夢の家 (角川文庫)』と続きます。

「覆面作家シリーズ」は連作短編形式で、文庫にしてどれも300ページないですし、何よりとっても読みやすいので、是非シリーズ最終作まで読んでいただきたい!

あ、あのラストを・・・あの綺麗な終わりを・・・目にしてください!本当はもっともっと読みたいのだけれど、あの終わり方をされてしまっては文句も言えません。。

 

ちなみにこの絵の良さ、わかっていただけます?

この時代を感じさせる絵、この作品に合っていて大好きなんですよね(ノω`*)

ほんとに読みやすいので、ぜひサクッとお気軽にどうぞ〜!

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4 件のコメント

  • こんばんは^_^
    twitterでもたまにお話させて頂いている者です。
    本の感想とはまったく違う内容で申し訳ないのですが、以前からずっとお聞きしたいと思っていたことがありまして。
    私は今、本を読みたいと思いつつ、生活していると仕事の悩みであったり、なかなか思うように頭が読書モードに切り替わらない時があり、読みかけの本がなかなか進みません。全然頭に入って来なかったりします。時間が無いというよりメンタル面の問題ですね。
    anpo39様はそういう事はあったりしますか?
    毎月◯冊は読みたいという目標がなかなか達成できないのですが、コンスタントに本をご紹介されていて安定した読書量ですごいなと思っています。
    300冊読むために実践されていることの記事は拝見しました。
    もし宜しかったら、教えてください(^-^)

    • あいさんこんばんはー!いつもありがとうございます。
      あいさん。
      その気持ち。
      すごく分かりますっ!!!!
      もちろん私もあります。
      読書したいはずなのに、読み始めるとつい他のことを考えてしまう、、、って感じですよね。
      他にもやるべきことがあるのに読書してて良いのだろうか、とか、仕事のこととか、プライベートのこととか、将来のこととか。。。
      今考えても仕方がないことを考えてしまうんですよね。
      で、私がよくやっているのはまず
      ①声に出して読む
      ってことです。
      小学校の授業でやった「音読」ですね。あんなにハッキリを声に出して読まないですが、ブツブツブツ・・・ってつぶやく感じに読んでみます。
      すると他のことを考えようとしてもできなくなります。
      全部音読とはいかなくても、小説であればセリフの部分だけその人になりきって声に出してみたり、とかですね。
      まあこの方法は電車の中とかではできませんが 笑。
      あとは
      ②「他のことを考えてもどうにもならない」って諦めることですよね。
      仕事のこととか家庭のこととか、そんなの今1時間考えたところでどうにもならない!考えるだけ無駄!って開き直れるかどうかですね。
      これに関しては最初は難しかったですが、何年も続けているうちに慣れてきました。
      もし、『他にもやるべきことがあるのに読書してて良いのだろうか・・・』って思ったら「良いんだ!!」って自分を納得させるのです 笑。
      だって明日の仕事のこととか過去のこととか、実際にいくら考えたってどうにもならないですもん。
      私は夜寝る前の1〜2時間は「他のことは何も考えなくて良いスーパー読書タイム」を設けています。笑
      もう決めちゃうんです。ここから先は「考えたって仕方がないから、考えなくて良い時間なんだ」って。
      最初は難しいですが、長く続けていると慣れてくるはずです。
      あとは
      ③「そういうことは自分だけではなく誰にでもある」
      と自分を安心させることですかね。
      実際に、読書に集中できないなんて誰にでもあることだと思います。私もしょっちゅうですし。
      なんで私は集中できないんだろう、駄目だなあ。。なんて思ったりしてるとどんどん集中できなくなってしまいますから。
      いや、みんなそうだよ!安心して!ってことです。
      他には
      ④とにかく面白い!って思える本(本当に面白いなら嫌でも引き込まれる)に出会うまで片っ端から読んでみる、とかですね。
      それでも集中できないなら、きっと心や身体が疲れきっている証拠だ、と考えて寝ます。笑
      メンタルが弱っている時はやっぱり集中しにくいですもん。無理して読もうとすると余計に辛いですし。
      ・・・こんな感じですかね。。
      長くなっちゃいましたね。笑
      もし他にも思いだしたら、ちょっとまとめて記事にしたりしてみます。
      お役に立てるかわかりませんが、参考にしてみていただければ幸いです(*´ω`)

  • こんばんは!
    詳細にお返事下さいまして、ありがとうございました(*^^*)
    やはり、anpo39さんにも集中出来ない時はあるのですね。すごい精神力だなぁと驚いていたので、少し安心?(表現がおかしいですが^_^;)しました。
    色々な方法を実践されていて、なるほどと思うこともありました。
    せっかく楽しい読書の世界に浸れる時間なのに、
    意図せず邪念が頭に浮かんで邪魔したりして、もったいないなぁと思っていたのです。
    私は静かな音楽をイヤホンで聴きながら読書をしています。長〜い通勤時間が読書に確保できる貴重な時間なので、確かに音読はキツイのですが、ちっちゃな声で迷惑にならない程度にしたことあります笑
    読書って、ある程度脳が疲れてないことも必要ですよね。音楽はただ聞き流せば良いだけですし、映画は映像で頭に残りますが、小説となると文字を追うだけでなく、読解が必要になりますもんね。特にミステリーなんかは(^ ^)
    大変参考になりました!ありがとうございます。また、これからも楽しみにブログ拝見させて頂きますね(o^^o)

    • いえいえ〜。だってその気持ちすごくわかりますもん(ノω`*)
      あまり参考になるかわかりませんが、少しでもお力になれればと。
      音楽!そうでした。それもありましたね。ピアノの曲とかクラシックとか、普段まったく聞かない音楽を小さく流しながら読むと良いですよね。好きな曲とか歌詞がある歌だとつい聞いてしまうので 笑。
      とんでもないです!こちらこそ、いつもありがとうございます〜(*´∀`*)

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