ダメダメ新入社員がブラック会社を救う?!荒木源『大脱走』のあらすじ感想

荒木源(あらきげん)さんといえば『ちょんまげぷりん』という作品が映画化もされて有名な作家さん。

他にも『オケ老人! (小学館文庫)』とか面白い作品があるんですけど、先日そんな荒木源さんの『大脱走』が文庫化されたので今回はそのあらすじなどを。

『大脱走』はとあるブラック会社を舞台にした「お仕事小説」なんですけど、荒木源さんの手によって見事なエンターテイメント作品に仕上がっているんですよねえ。

純粋に面白い小説でしたので、テンションが高いうちに早速ご紹介しちゃいますよー!(* >ω<)=3

 

荒木源『大脱走』

 

就活で大苦戦しもうダメかと思われた矢先、なんとか「スペシャルライフ」というリフォーム会社に就職できた片桐いずみ。

そして初めての出社の日、意気揚々と会社へ行くと、大木田という男にいきなりメッチャ怒られた。9時出社なのだから30分前には会社に着いていろ、というのです。

そんなこんなで初日から飛び込み営業に着き合わされる片桐は、そこで先輩たちのとんでもない営業方法を目の当たりにします。

詳しくは書けませんが、要はほとんど嘘に近いことを言って無理やりお客さんと契約を取るんですよね。結構えげつないです。

契約取れなきゃ帰ってくるな、とか言われるし、成績が悪ければ休日もないし、給料は超少ないし、つまり「スペシャルライフ」は超ブラック企業だったわけです。

 

それからあっという間に3年。

先輩たちほどの反則的な営業はしていないものの、ギリギリのラインでなんとか営業を続けていた片桐。

そんな時、ついに新入社員が入社し、しかも片桐の下につくことになった。が、この新入社員、ビックリするほどやる気のない男だったのである!!

驚異の新人・俵真之介(たわらしんのすけ)登場。

この俵という新人君、まず初日から遅刻をしますからね。で、そのまま片桐と飛び込み営業に行くんですけど、とにかくやる気がないんです。

それから何日もたっても、平気でサボるし、やりたくない事から平気で逃げる。いくら怒られても、「はあ、すいません」って感じ。ちゃんと聞いているのかもわからない。

誰から見てもダメダメ社員であり、片桐にとってはまさに「お荷物」状態だった俵。

で・す・が・!

この俵が、ブラック極まりない「スペシャルライフ」という会社に大きな影響を与える重要な鍵となります。こんなことになるなんて誰が想像したでしょう。

エンタメお仕事小説の決定版!

あらすじをまとめると、超ブラック会社に超やる気のない新人が入社したらまさかの展開になった、っていう物語です。

まず大きな特徴としては登場人物のキャラがそれぞれちゃんと立っているってところですね。個性的な俵はもちろん、主人公の片桐の上司などもしっかり描いていて、かなり感情移入してしまいます。

そしてブラック会社のリアルさが読んでいて辛い。いや、私自身こんなブラック会社に勤めたことないんですけど、本当にこんな会社ありそうだなあ、なんて思ってしまって。

もし私が「スペシャルライフ」に入社してしまったら初日で心が折れるでしょう(そもそも私は飛び込み営業自体に向いてなさそう)。

でもね、俵はやめないんですよ。こんなにやる気がなくてダメダメなのに、会社を辞めることはしないんですよ。

ある意味「才能」と言いますか、嫌なことから常に逃げながら生きることがとても上手な人間なんです。確かに、片桐のように「スペシャルライフ」に真正面からぶつかっていったらいつかは潰れてしまいますもの。

俵のように、どんな状況においても「自分らしく生きる」ことの大切さもちょっと考えさせられました(でも一緒には働きたくないかも 笑)。

おわりに

この作品の流れを私の「心の声」で表しますと、

 

序盤「うわーブラック会社やばいなー」「この俵くんもやばいなー」

中盤「あれ、そういう展開になるの?」「みんな大丈夫?」

終盤「え、え、俵くん?!」

 

ラスト「スッッッキリ!!!!!(゚∀゚*)」

 

という感じです。

最初にも述べましたが、この作品は「お仕事小説」であり「エンターテイメント小説」でもあるので終始とても楽しく読めます(辛い場面もありますが……)。何よりテンポが良くて読みやすく、一気読みできちゃうタイプの作品ですね。

「単純に面白い小説が読みたい」「面白いお仕事小説が読みたい」「後味がスッキリする小説が読みたい」などの方には特にオススメですよ〜。

どうぞ参考にしていただければ幸いです(* >ω<)=3

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anpo39

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。休日は引きこもって本ばっかり読んでいるので、人との交流があまりありません。仲良くしていただけたら嬉しいです(*≧д≦)