映画化!秋吉理香子『暗黒女子』は少女の死を巡るダークなイヤミス。感想あらすじ

「イヤミス」とは、ドロドロした雰囲気が漂っていて読後感も良くない、イヤーな気分になるミステリのこと。

この『暗黒女子』は女子校が舞台ですので、登場人物が大人ではなく「少女」たちってところが逆に怖いんですよね。

で、そんなイヤミスで有名な『暗黒女子』の文庫版がついに発売されました!ヤッタネ(*´∪`)

図書館で単行本を借りて一回読んでいるのですが、もう一度読みたくて買ってしまいました。

改めて読んでやっぱ面白いなー!と実感したので簡単にご紹介しちゃうよ(*>∀<)ノ

定例闇鍋朗読会、開催。

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舞台となるのは「聖母女子高等学院」という女子校の文学サークル。

そのサークルでは定期的に、「闇鍋」をしながら小説の朗読会を行っています。

※「闇鍋」とは、各自それぞれが自分にしかわからない具材を持ち寄り、真っ暗な状態の中でみんなで鍋を食べるという行事のこと。何を口にするかわからないためスリル満点。

いつもは朗読する小説のテーマは決まっていないのですが、今回の朗読会ではテーマが決まっており、各自そのテーマについての小説を書いて発表していく形式をとります。

みなさん、今夜は嵐の中、お集まりいただいてありがとう。
我が聖母女子高等学院文芸サークルの、一学期最後の定例会です。サークルの現会長であるわたくし、澄川小百合より、開会のごあいさつをさせていただきます。先ほどお配りしたウェルカム・ドリンクでも召し上がりながら、ゆったりとお聞きくださいね。

『暗黒女子』P.7より引用

白石いつみはなぜ死んだ?

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そして今回の朗読会のテーマは、一週間前に死んだ「白石いつみ」の死について。

学校一の美少女であり完璧な存在であった「白石いつみ」はなぜ死んだのか。事故か、自殺か、他殺か。

各サークルメンバーはそれぞれの視点から小説を書き、それを順番に朗読していきます。

 

といわけで今作は、

①開会の挨拶、およびルール説明

②各メンバーそれぞれの短編小説6編

③閉会の挨拶

という形で構成されています。

 

この構成だけでも面白いのですが、ここからが本番です。

「白石いつみ」の死について、各メンバーの視点から見た小説を次々語っていくのですが、それぞれの小説が全く違う真相にたどりつくのです。

誰の言っていることが正しいのか、読者はワケがわからなくなってきて混乱してきます。

「あの人が犯人かな?」と思いきや、次の人の小説を読むと「あれ?やっぱりこの人が犯人かな?」という感じでどの人物も怪しくなってきてしまうんです。

そして「白石いつみ」の死の真相は一体なんなんだ!と混乱したところでトドメのどんでん返しです。お見事。

ある女子高で、一番美しく一番カリスマ性のある女生徒が死んだ。その一週間後、親しかった六人が部室で語り出す、彼女の死の真相とは?

イヤミスなのに気持ちいい!?

イヤミスなのは間違い無いのですが、私の読後感から言うとなぜか「気持ちが良かった」んですよね。私だけでしょうか?

イヤミスって普通読後感は悪いもの。でもここまでやってくれると謎の爽快感に包まれるんです。

いやースッキリしました。

伏線をどんどん回収していってパズルのピースがカチッとはまっていく感じ。最高ですよね。

文章もかなりライトなので、面白いくらいにスルスル読めちゃいます。休憩なしの2時間ほどで一気読みでした。

これほど読みやすいイヤミスってあまりないので、ほんと素晴らしいことだと私は思います(*´ェ`*)

少女の内に秘める暗黒を体感せよ!

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イヤミスといっても、湊かなえさんの『告白 (双葉文庫)』や米澤穂信さんの『ボトルネック (新潮文庫)』などのイヤミスとはまた違うタイプですね。

この『暗黒女子』を読んで「気持ちがよかった」と感じる私が正常なのかわかりませんが、とにかく「お見事!」という感じの作品でした。全体に漂うダークなお嬢様学校の雰囲気も良いですし。

まあ確実に言えることは、「女子怖い」ってことですね。ぞっとします。

とにもかくにも、今回文庫版を改めて読めて本当に良かったと思えた作品です。

可愛らしい少女たちに隠れた「暗黒」を、ぜひご覧くださいませ。

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